血液循環と目
- < 目次 >
- 血液の質と流れ
- 血液循環と眼病の関係
- 血液循環と視力の関係 ・・・ 運動、目のツボ指圧
- 血液循環を悪くするもの ・・・ 姿勢の悪さ、体の圧迫、食べすぎなど
- 血液の質を悪くするもの ・・・ 腸内ガス、排気ガス
血液の質と流れ
全身に流れている血液が「どのような質か」、「スムーズに流れているか」、ということは、目にとってもたいせつです。
心臓から目への専用血液はありません。
全身に流れている血液と同じものが、眼球内にも流れ込みます。
「血液の質」とは、かんたんにいえば、「どろどろ血」か、「さらさら血」かということです。
「血流」に関しては、当然「さらさら血」であれば、流れがよくなります。
そのほか、老廃物を回収した静脈血が、心臓にスムーズにもどってくることも大事。心臓の拍出量(パワー)も、大事な要素です。
さらにいえば、「血管の状態」も大事です。
動脈血が流れている血管に、弾力があることがたいせつ。
動脈硬化になると、血管が硬くなります。そうなると、血圧が上昇することに。血流がいいといっても、高血圧では仕方ありません。
血液循環と目の病気
血液循環の状態は、確実に目に影響をあたえます。
目の血流がとどこおると、さまざまな眼病を引きおこすことになります。
高血糖などの「どろどろ血」によって、血液循環が悪くなると、網膜の毛細血管に損傷をあたえるようになります。
血管がもろくなるのです。
これがつづくと、「糖尿病網膜症」や「高血圧性網膜症」を引き起こし、眼底出血のもとになります。
また「どろどろ血」は、網膜の毛細血管の内部に付着。
血管の弾力性をうばいます。これが動脈硬化を引き起こします。
網膜の動脈硬化は、「網膜静脈閉塞症」や「網膜動脈閉塞症」のもとに。
視神経の出口にあたる視神経乳頭の血流が悪くなれば、ちょっとした眼圧でも「緑内障」になります。これを「正常眼圧緑内障」といいます。
別の観点から見てみます。
目の血流が悪くなると、眼球内の細胞に、酸素と栄養を充分に送りとどけられなくなります。そうなると抗酸化物質が不足し、活性酸素の力が増大。
これが、あらゆる眼病を引き起こす原因になります。
たとえば、レンズの役割をしている透明な水晶体に、抗酸化物質が不足すれば、酸化変性を起こします。すると、白くにごって「白内障」になります。
血液循環が悪いと、静脈による、老廃物の回収がおくれるようになります。
そうなると、目のなかに水分がとどこおって、むくんできます。
これが網膜の中心である黄斑部(おうはんぶ)で起きると、「黄斑変性症」や「中心性網膜炎」を引き起こします。結膜やまぶたが、むくむこともあります。
血液循環と視力
血液循環は、視力にも影響をあたえます。
たとえば、ウォーキングなどの有酸素運動を一定時間行なうと、視界がはっきりしてきます。
これは、全身の血流がよくなったため、目の血行もよくなったからです。
目の周囲のツボを指圧すると、すぐに視力がアップします。
これも、目の周囲にあるツボを刺激することで、目のなかに急激に血液が流れ込むため。目に蒸しタオルをおいて、温めた場合も同様です。
眼球への血液は、目のうしろから入ってきます。
動脈や静脈の”血管の本管”は、視神経とならんで走っています。そして視神経乳頭の位置で、眼球内に枝分かれしています。
ところで、よく「網膜の血管」という表現がつかわれます。
しかし実際は、網膜の外側にある「脈絡膜(みゃくらくまく)」のなかにも血管が走っています。
むしろ、こちらのほうが網の目のように、大量の血液が循環しています。
脈絡膜、毛様体(もうようたい)、虹彩(こうさい)の三つは、同じ組織。
上のイラストでは同じ茶色の部分で、ひとつながりになっているのです。
これを「ぶどう膜」といいます。
このため、血行がよくなった脈絡膜の血液は、すぐに毛様体に流れ込みます。毛様体は筋肉。透明なレンズである水晶体の厚みを変えています。
毛様体筋の調節によって、遠くや近くに焦点を合わせているのです。
そのため、毛様体に急激に血液が流れ込むと、毛様体の新陳代謝が活発に。毛様体筋がリラックスして、こり固まっていた緊張がほぐれるわけです。あつい風呂に入ると、全身の疲れがとれるようなものです。
以上のことから、有酸素運動やツボ指圧を行なうと、一時的に遠くにピントが合わなくなっていた状態が解消され、視界がはっきりするわけです。
血液循環を悪くするもの
血液循環を悪くするものは、運動不足だけではありません。
たとえば、姿勢の悪さ、体の圧迫、食べすぎなども、原因になります。
「猫背で、うつむいて読む姿勢」には気をつけるべきです。
こういった姿勢は、首の骨である頚椎(けいつい)を圧迫。そのため、心臓から頭部への血流をさまたげてしまいます。
この姿勢が習慣になると、ふだんでも、背筋が曲がったまま戻らなくなります。血液循環が悪いことが、当たり前になってしまうのです。
本の読み方だけではなく、「曲がった座りかたでも同様です。
そのほか「歯のかみ合わせの悪さ」や、「靴による足の指への圧迫」にも気をつける必要があります。
栄養面でいえば、食べすぎ、とくに動物性食品のとりすぎは、「どろどろ血」のもと。そのほか脂や糖分のとりすぎにも、注意する必要があります。
対策としては、「腹八分目」をこころがけること。
「こまめな水分補給」もたいせつです。
血液の質を悪くするもの
血液の質を悪くするものには、「腸内のガス」と「空気中のガス」のふたつがあります。
胃腸障害は、目に影響をあたえます。
とくに便秘は、目の機能を低下させるものです。
便秘になると、腸内にガスがたまります。すると、そのガスは血管のなかに再吸収され、全身をまわることに。
一見、関係ないようにみえても、便秘や宿便を解消することが、全身の健康をとりもどすことになります。それが目の健康にもつながるのです。
同様に、「排気ガス」にも気をつける必要があります。
肺から取り込まれた酸素に、排気ガスがふくまれていると、それが血液にのって全身をまわることに。便秘のガスと同じように、毒素がまわるのです。
目だけの専用血液はないので、もちろん目のなかにも循環します。
排気ガスは、高い確率で活性酸素を発生させます。
活性酸素は、あらゆる病気のもと。健康のためだからといって、交通量の多い道路わきをウォーキングすることには、危険がともなうのです。
