斜視
斜視とは
斜視とは、両目のうち片目だけが、あらぬ方を向いている目の症状です。
斜視の子供が、ある対象物を見たときに、正常なほうの目は、きちんと対象物に向きます。しかし、もう片方の斜視の目は、上下左右のいずれかを向いているわけです。
このため、斜視になると、左右で、別々の映像をみることになります。
そうなると、ものが二重に見える「複視」がおきます。そのため、幼児の場合、両目でものを見る機能(両眼視機能)の発達が阻害されます。立体感や遠近感が育たなくなるのです。
幼児の場合は、複視が起きると、脳の削除機能(抑制という)がはたらきます。斜視のほうの目を使わなくなるのです。
そうなると、斜視のほうの目に、映像が送られなくなり、視力の発達が止まってしまいます。その結果、高い確立で「弱視」になります。
弱視は、3〜5歳くらいまでに矯正しないと、治らなくなるので、要注意です。
なお、斜視になるのは、幼児全体の2パーセント程度です。
3歳児検診
各自治体では、「3歳児検診」を行なっています。ぜひ受けるようにしましょう。自治体によっては、「4歳児検診」の場合もあるようです。
斜視の種類と分類
斜視には、さまざまな種類があり、分類法があります。
斜視を見た目で分けると、「内斜視」、「外斜視」、「上斜視」、「下斜視」の四つになります。内斜視は斜視全体の7割をしめ、内斜視と外斜視がほとんどです。
そのほか、眼筋がまひしている「麻痺(まひ)性斜視」と、まひしていない「共同性斜視」。ほとんどは、共同性斜視です。
さらに、左右の目に、交代で斜視があらわれる「交代斜視」と、片目だけの「片眼斜視」。
つねに斜視になっている「恒常性斜視」と、たまになる「間欠性斜視」。
通常の斜視にたいして、「偽斜視」というものがあります。
乳幼児は、左右の目の間隔が広いために、内斜視のように見えるのです。
そのほか、斜視ではないものの、潜在的に斜視の因子をもっている「斜位」があります。
斜視の原因
斜視の原因は、おおきく分けて四つあります。
まず、遺伝により、外眼筋そのものや、外眼筋を動かす神経に異常があるため。つぎに、遺伝や脳の異常により、両眼視ができないためです。
三つ目として、強い遠視があるため。幼児は、ほとんどが遠視です。
しかし、遠視が強すぎると、後天的に「調節性内斜視」になるのです。
最後に、病気やケガをして、視力が低下すると、その目が使われなくなり、斜視になります。これを「廃用性斜視」といいます。これは、大人でもなる斜視です。不同視(がちゃ目)があっても、同様に、外斜視になることがあります。
斜視の検査
斜視の検査は、自宅で、かんたんにできます。
フラッシュをたいて撮影した写真があれば、見てみましょう。
この場合、赤ちゃんの角膜の反射具合を見ます。角膜のまん中に反射していれば、斜視の心配はありません。
写真がめんどうであれば、ペンライトや懐中電灯で、照らすだけでもOKです。そのほか、子供のしぐさから、判断する方法もあります。
斜視の治療法
斜視の治療法は、大きくふたつに分けられます。
まず、強い遠視が原因の場合、遠視用メガネを装用して治療します。
そのほかの斜視の場合は、基本的に手術を検討することになります。
斜視を治療する目的は、目の位置を治すだけではなく、幼児の場合、両目でものを見る「両眼視機能」を育てるためでもあります。
斜視が原因となって、すでに弱視を併発している場合は、弱視の治療を優先させ、視機能の発達をうながしていきます。
斜視の手術
「調節性内斜視」以外のケースでは、斜視の手術を検討します。
乳児内斜視の場合は、両眼視機能を育て、視機能の発達をうながすために、手術を行ないます。しかし、脳の両眼視機能に原因があって、斜視になっていた場合は、手術をしても両眼視機能が育たないことがあります。
乳児期の斜視の手術には、賛否両論があります。
斜視の手術の方法としては、前転法と後転法があります。手術にかんしての注意点がいくつかあります。
