外斜視
外斜視とは
外斜視とは、片方の目がある対象に視線を合わせているとき、もう片方の目は外寄り(耳寄り)になって、同じ対象に視線が向かない目の症状です。
外斜視は、大人になってからも、多く見られる症状です。

外斜視は、「間欠性外斜視」と「恒常性外斜視」に分けることができます。
間欠性外斜視は、たまに外斜視になる症状です。とくに心配なものではありません。
恒常性外斜視は、視力の低下などが原因となって、片目が使われなくなり、その結果、つねに外斜視である症状のことです。
恒常性外斜視は、不同視(がちゃ目)が原因となって、おきることもあります。
間欠性外斜視
間欠性(間歇性)外斜視は、たまに外斜視になる症状です。
通常は、とくに治療の必要はありません。
疲れたときや眠いときにあらわれます。こどもでも寝起きに出てくることもあります。あるいは、遠くをみて、眼の緊張をゆるめたときなどに現れます。
まわりの人が、声をかけると、その瞬間、もとの目の位置にもどったりします。よっぱらったときに、この間欠性外斜視になる人もいます。
本来、人間の目は、やや外側を向いているのが自然な位置です。
しかしそれでは、ものが見えないために、無意識のうちに調節して、瞳孔がまっすぐになるようにしているのです。
そのため、外眼筋が弱いなどの理由で、気を抜くと外斜視になるわけです。間欠性外斜視は、まれに、斜視が強くなり、「恒常性外斜視」に移行することもあります。この場合は、治療が必要なこともあります。
恒常性外斜視
恒常性外斜視は、文字どおり、つねに外斜視の状態にある症状です。
事故などで外傷を負うと、片眼が高度の視力低下をおこすことがあります。
すると、いいほうの目だけで見るようになります。人間の脳には、見づらい映像を削除する機能があるからです。
片目だけでみるようになると、低下したほうの目は、使われなくなるために、外側(耳側)を向くようになります。この場合、低下した目の視力が向上しないかぎり、外斜視は治りません。
そのほか、事故などにより、眼球を動かす筋肉の神経が障害されると、「眼筋まひ」になることがあります。
恒常性外斜視と不同視
同様の原理で、不同視(がちゃ目)の場合、どうしても、見やすい、いいほうの目だけで見るようになります。
そうすると、視力が低いほうの目は、見づらいので、脳の削除機能がはたらきます。結果として、わるいほうの目は使われなくなり、だんだん外を向き、恒常性外斜視になるのです。
この場合は、視力の低いほうの目を矯正することによって、治療することができます。
ただし、乳幼児期に不同視(がちゃ目)をほうっておくと、「不同視弱視」になります。当然、両目でものを見ていないので、両眼視機能が発達しなくなります。乳幼児の不同視は、うまれたときから見づらいため、とくに親にうったえることはしません。
また、両目で見ていると、片目の見づらさは、感じにくいものです。この不同視弱視は発見しづらいので、気をつける必要があります。
左右の視力差がありすぎる場合は、要注意です。
たとえば、近視の場合、度が強いほど、メガネをとおした映像は小さく見えます。左右の像の大きさが、あまりにちがいすぎると、脳は両方の像を融合できなくなります。この場合、ものが二重に見える複視がおきることがあります。
左右に視力差があるときは、メガネの度を弱めたり、コンタクトレンズを使用するという対処が考えられます。
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