老眼の原因
老眼の原因は、水晶体の酸化変性により、水晶体が硬化し、遠近調節がうまくいかなくなるためです。
老眼と調節力
老眼(老視)は、「加齢性の調節力の低下」です。
目の調節は、レンズである「水晶体」、その周囲の「毛様体筋」、その間を仲介する「チン小帯」が行なっています。
角膜から入ってきた光は、まず、角膜という”第一のレンズ”によって、7割がた、大きく屈折されます。
その後、水晶体という”第二のレンズ”によって、遠近の微調節が行なわれます。この遠近の微調節が、目の「調節」といわれる働きです。
老眼は、加齢とともに、この調節がうまくいかなくなるために、近くのものに焦点が合わなくなってくる症状です。
老眼と水晶体、毛様体
老眼があらわれて進行していく原因は、加齢とともに、水晶体が硬化し、毛様体の筋力が低下していくためです。
まず、老眼は、第二のレンズである水晶体が硬化(かたくなること)するために、起こります。手元が見づらくなる、いわゆる「老眼」は、ふつう40代なかば以降に発生します。
しかし、水晶体の硬化は、幼児期から徐々に進み、30代からは、とくに本格的に進行していきます。
水晶体の硬化
水晶体は、近くを見るときは厚くなり、遠くを見るときはうすくなります。
正視の人(目のいい人)は、普段は水晶体がうすいため、加齢とともに、この状態でかたまって、水晶体の弾力性がうしなわれてきます。年齢とともに、肌のはりが失われることと一緒です。水晶体もたんぱく質(コラーゲン)でできているからです。
すると、毛様体筋を緊張させても、水晶体が、もとに戻らなくなる、つまり、厚くならなくなります。
毛様体の筋力の低下
また、毛様体筋が収縮(緊張)するパワー自体も、落ちてきます。
これは、加齢とともに、全身の筋力がおとろえることと一緒です。
水晶体の硬化によるレンズの弾力性の低下、そして、レンズの厚みをコントロールする毛様体の筋力の低下。このふたつが、老眼になると、近くに焦点を合わせづらくなる原因です。
水晶体の硬化と酸化変性
加齢とともに、レンズである水晶体が硬化してくることは、前述しました。
それでは、なぜ、水晶体が硬くなってくるのでしょうか?
ミクロの目で見ていくと、水晶体は、タンパク質(コラーゲン)によって、できています。この水晶体のタンパク質が「酸化変性」すると、タンパク組織が硬化すると考えられます。
酸化とは、活性酸素によって、細胞がさびることです。紫外線にあたっていると、肌にシミができることと一緒です。
加齢とともに、水晶体が酸化を起こすことが原因で、かかる眼病があります。加齢性の白内障です。
老眼も白内障も、水晶体のタンパク組織が酸化変性を起こすという、同様の原因によって発生しているわけです。
水晶体が酸化変性する原因
水晶体が酸化変性をおこす原因は、紫外線の影響が大きいと考えられます。水晶体は、紫外線を吸収して、網膜を紫外線から守っています。長年、そうした環境にいると、だんだん水晶体のタンパク質が酸化、つまり「さびてくる」というわけです。
そのほか、喫煙、不規則な生活、栄養不足、ストレスなども、水晶体の酸化に関係していると推測されます。
とくに、栄養は、水晶体の酸化変性に、ふかくかかわっています。
白内障の患者さんには、水晶体と、その周囲の水分である「房水」のなかに、抗酸化物質であるビタミンCが少ないといわれています。抗酸化物質は文字通り、細胞の酸化をふせいでくれる物質です。
老眼とアンチエージング
老眼は老化現象ですから、仕方のないものです。人間の遺伝子自体に、老化がプログラムされていると考えられるからです。
しかし、アンチエージング(抗加齢医学)の立場にたつと、老化は努力しだいでおくらせることは可能です。老化によって、水晶体や房水内の抗酸化物質が少なくなってきたとすれば、それをサプリメントなどで、補ってやればよいということになります。
そのため、水晶体や房水のなかに、抗酸化物質であるビタミンCやルテインがつねに多い人は、白内障や老眼を遅らせることが期待できます。
