老眼の治療法
老眼の治療法とは
老眼の治療法は、基本的に遠視の治療法でもあります。老眼鏡が、基本的には遠視のメガネであることと、一緒です。
老眼になると、水晶体が硬化するために、水晶体を厚くできなくなります。
そのため、近くに焦点を合わせづらくなります。
そこで、その硬くなった水晶体のかわりに、遠くにも近くにも焦点が合うレンズを入れようというものが、「人工レンズ挿入術」です。
最近では、角膜に高周波エネルギーを照射して、老眼を治療する「CK手術」が登場してきました。
人工レンズ挿入術
人工レンズ挿入術による治療法は、大きく分けて、ふたつあります。
まず、白内障の手術のさいに、白くにごった水晶体を取り出します。そのさいに、白内障を治すと同時に、老眼も治すという治療法。
もうひとつは、水晶体はそのままで、角膜内に人工レンズを埋め込む治療法です。
白内障手術のほうは、レンズ自体が動く「調節可能眼内レンズ」と、レンズ自体に遠近の度がある「多焦点人工レンズ」に分けられます。
しかし、白内障がそれほどでもないのに、自分の水晶体を取り出すとなると、決断が必要です。白内障が進行していて、医師から手術をすすめられた場合に、有効な選択肢です。
角膜埋め込み型の手術は、もし合わなければ、取り出すことができます。
また、老眼は、60歳くらいまで度が進んでいくので、そのつど、レンズを入れ替えることが可能です。
レーシック手術
レーシック手術によって、老眼を治療することができます。
近視用のメガネでも、度を弱めれば、老眼鏡になります。これと同じ考えで、本来なら、1.0にできるレーシックであっても、わざと近視を残すことによって、近くでも見やすくなります。考え方としては、こういったことも可能です。
そのほか、「遠視レーシック」というものがあります。
近視治療のレーシック手術においては、角膜実質の中央部を削ります。
これによって、角膜の凸の形を弱めるわけです。
いっぽう、遠視治療のレーシック手術においては、角膜実質の中央部はさわらず、その周辺部を削ります。これによって、角膜全体として、中央部の凸の形状が強くなるようにします。
まさに、この形は、遠視用メガネ(老眼鏡)の凸メニスカスレンズの形状です。
そのほか、老眼用の遠近両用コンタクトレンズのように、角膜をけずる遠視レーシックという治療法もあります。これは、前述のたんなる遠視レーシックとは違います。角膜の位置によって、遠くが見える部分と、近くが見える部分をつくるのです。これによって、老眼が治療できるわけです。
CK手術
CK(コンダクティブ・ケラトプラスティ)を日本語に訳すと、「伝導式角膜形成術」となります。
CK手術は、もともと遠視の治療法として、はじまりました。
2002年に、アメリカFDA(日本の厚生労働省にあたる)に認可され、その後、老眼治療としても、認可されました。そのため、安全性は保障されています。
CK手術では、レーシックのエキシマレーザーは使用しません。角膜の中央部を除いた周辺部に、高周波エネルギー(ラジオ波)を照射します。
手術方法は、まず、照射する部分にマーキングします。
そして、8〜16箇所に高周波エネルギーを照射します。すると、角膜のコラーゲン組織が収縮し、全体として、角膜の形状が凸になるのです。
CKの手術は、5〜10分程度で終了します。保険は適用されていません。
CKによる治療は、今まで正視や遠視だった人が、老眼になった場合に適しています。ただ、角膜形状の戻りなどもあり、CK手術をうけても、老眼鏡を使用し続けなければいけない場合もあります。
強膜伸展手術
強膜伸展手術という、老眼の治療法もあります。
この方法は、老眼になる原因は、水晶体の硬化ではない、という立場をとる医者が行なう方法です。
水晶体は、加齢とともに大きくなっていきます。
そうなると、水晶体と毛様体との間隔がせまくなります。そのため、水晶体が厚くなることができず、近くに焦点を合わせられなくなる、とするのです。
この説にもとづき、強膜伸展手術では、シリコン製のベルトを眼球に巻いたりして、せまくなったスペースをあけようと試みます。しかし、この手術を行なう病院はそれほど多くありません。また、老眼がよくなるわけでもないようです。こういう老眼の治療法もある、ということでご紹介しました。
