白内障の症状
白内障の症状は、たいてい自覚はなく、ゆっくりと進行していきます。
とくに危険な眼病ではありません。
ただし、白内障の進行度合いには個人差があります。
なかには、急速に症状がすすんでいく人もいます。
具体的な白内障の症状としては、「かすみ目」、「まぶしさ」、「ものがダブって見える」、「視力の低下」があります。
白内障と自覚症状
加齢性の白内障では、初期は、たいてい自覚症状がありません。
はじめは「皮質白内障」といって、水晶体の皮質の部分(周りの部分)から、にごってくることがほとんどです。
皮質白内障は視力の低下や、かすみがなく、日常に支障はありません。
しかし、水晶体の内部では、白内障が確実に進行をはじめています。
そのため、かすみ目などの自覚症状があらわれてきたときには、ある程度、白内障が進行していることになります。
自覚症状はなくても、眼科で精密検査を受けると、水晶体のにごりがわかります。
白内障と症状の進行
加齢性白内障の症状は、一般的にゆっくりと進行していきます。
白内障になったから、すぐに危険な状態になるというわけではありません。
白内障にかかる時期は、人によってさまざまです。
はやい人では、40代から白内障になることがあります。
そのいっぽうで、一生、自覚症状がなく、不自由なく暮らせる人もいます。
白内障の進行度合いも、人によってさまざまです。
白内障の進行は、前述したように、一般的にはゆっくりとしています。
人によっては、さらにゆっくりと進行していくこともあります。
いっぽう、急速に進行して、どんどん視力が低下していく人もいます。
この場合は、はやい段階で白内障の手術が必要になります。
白内障の症状と抗酸化物質
なぜ、白内障の症状のあらわれかたに、個人差があるのでしょうか?

水晶体や、そのまわりの房水という液体に、「抗酸化物質」が充分にたくわえられていると、白内障にかかりにくいといわれています。
抗酸化物質とは、ビタミンCやルテインなどをいいます。
そのため、ビタミンCやルテインが豊富な果物や野菜を、ふだんからよく食べている人は、白内障にかかりにくいと考えられます。
また、「心身のストレス」や「喫煙」は、ビタミンCをかなり消費します。
心当たりのある人は、水晶体の酸化が進みやすいといえるでしょう。
そのほか水晶体が長年、紫外線によって、どのくらいのダメージを受けてきたかなども影響します。
具体的な白内障の症状
- 視界がかすむ
- 視界のかすみ(かすみ目)は、代表的な白内障の症状です。
白内障は、透明な水晶体が白くにごる病気です。そのため、外界から入ってきた光が、水晶体をスムーズに通過できなくなります。
その結果、ぼやけた光しか網膜に届かなくなるのです。
透明な窓に、「レースカーテン」を引くと、部屋のなかに入ってくる光が少なくなるようなものです。 - 視力の低下
- 白内障の症状としては、視力が低下してきます。
鮮明な像が、網膜に届かなくなるため、ものが見づらくなるのです。
白内障は、近視などの屈折異常とは異なる原因で、視力が低下します。
そのため、メガネやコンタクトレンズでは、視力を矯正できません。
白内障になると、近くが見づらくなるため、老眼と勘違いする人がいます。
しかし、老眼は近くだけが見づらく、白内障は近くも遠くも、見づらくなります。 - まぶしい
- 白内障の症状のひとつとして、まぶしいと感じるようになります。
明るい場所ほどまぶしく、目を開けていられなくなります。屋外では、日差しが強いと、必要以上にまぶしさを感じます。
まぶしさを感じるのは、水晶体が白くにごるために、光をスムーズに通さなくなるからです。行き場を失った光は、水晶体のなかで「乱反射」をおこします。そのため、目を開けていられないほど、まぶしくなるわけです。 - ものが二重、三重に見える
- 白内障の症状として、ものが二重、三重にダブって見えるようになります。
水晶体が白くにごっているために、スムーズに光を通さないためです。
乱視のように、水晶体の場所によって、光の進行方向に違いができます。
そのため、網膜の一点に焦点が結ばなくなり、ものがダブって見えるのです。 - 近くが見えるようになることがある
- 白内障の症状として、一時的に近くがよく見えるようになることがあります。
このため、老眼が治ったと勘違いする人がいます。しかし、近くがよく見えるようになったのは、水晶体の中心部が白くにごったためです。
ここがにごると、レンズである水晶体の屈折率が変化し、近くがよく見えるようになることがあるのです。
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