白内障の手術
白内障の手術療法には、ふたつあります。
- 水晶体超音波乳化吸引術・・・水晶体を超音波でくだいて摘出する
- 水晶体嚢外(のうがい)摘出術・・・水晶体をくだかずに、そのまま摘出する
水晶体超音波乳化吸引術
水晶体超音波乳化吸引術は、現在、主流になっている白内障の手術です。
この手術では、まず、白くにごった水晶体を、超音波でこなごなに砕きます。そのあと、水晶体の残骸を掃除機のように吸い出します。
さいごに、ソフトコンタクトレンズのような、やわらかい素材のレンズを、水晶体のかわりに目のなかに入れれば完了です。
白内障の眼内レンズはやわらかいため、折りたたんで挿入することができます。そのため、角膜の切り口を小さくでき、縫う必要はありません。
水晶体嚢外摘出術
水晶体嚢外(のうがい)摘出術は、かつて行なわれていた白内障手術です。「水晶体全摘術」ともいいます。
この手術は、白内障が非常に進行したために、水晶体が硬くなってしまった場合などに行なわれます。
水晶体が硬化すると、超音波では、くだけなくなるからです。
水晶体が硬いと、そのままの形で取り出さなければなりません。
そうなると、角膜の切り口が大きくなります。この場合は、切り口を縫う必要があります。
白内障の手術をうける時期
白内障の手術をうける時期は、日常生活に支障がでてきたときです。
昔の白内障の手術は、リスクが大きいものでした。
長い入院も必要だったので、視力が0.1程度に下がるまで、手術は行なわれませんでした。
しかし、現在では眼科医療も発達し、白内障の手術は、とても安全なものになっています。90歳という高齢のかたでも、安全に手術ができるほどです。
車の運転をつづけたい人は、たとえ両目の視力が0.6であっても、白内障の手術をうけることを検討したほうがいいかもしれません。
ご存じのように、運転できる視力は0.7以上だからです。
白内障が原因で視力が低下すると、メガネやコンタクトレンズを装用しても、視力を矯正することはできません。
白内障の手術をうければ、視力回復して、クリアな視界を取り戻すことができます。
白内障の手術は日帰りでOK
白内障の手術は、日帰りでうけることができます。
手術時間も10〜30程度で終わるほど、かんたんな手術になっています。
現在の白内障の手術は、近所の歯医者にちょっと出かけて、歯を抜いてくる感覚に近いといっても、けっして言いすぎではありません。
それほど安全な手術になっています。
ただし、日帰り手術の場合、翌日から、しばらく通院しなければなりません。感染症などのチェックのためです。
病院が家から遠いとか、高齢のかたは、もちろん入院という選択もできます。入院する場合は、たいてい二泊三日です。
両目を手術する場合は、1週間あけてから、もう片方の目を手術します。
白内障手術まえの検査
白内障手術のまえには、血液や血圧、尿などの検査を行なって、体全体に病気がないかをしらべます。
視力表を読む、通常の視力検査も行ないます。
暗い部屋のなかで、目に細い光をあててしらべる「細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査」といったものもあります。
眼底の検査も行ないます。
視力低下の原因が、緑内障や糖尿病網膜症、黄班変性症、網膜の病気など、ほかの眼病にある可能性もあるからです。
そのほか、角膜にとってたいせつな「角膜内皮細胞」の数も調べます。
目のなかに入れる「眼内レンズ」の度を決めたりもします。
白内障手術の注意点
白内障の手術には、いくつかの注意点があります。
白内障を放置しすぎると、水晶体が大きく、硬くなってしまいます。
そうなると、「水晶体超音波乳化吸引術」を行なうことがむずかしくなります。
白内障を長いあいだ放置したために、大きくなった水晶体は、眼球内を圧迫して、急性緑内障になることがあります。そうなると、失明の危険もあります。
そのほか、白内障の手術を行なうと、角膜の内皮細胞がどうしても減ってしまいます。そのため、内皮細胞が少ない人は、手術を受けられないことがあります。手術前に角膜内皮細胞を検査するのは、そのためです。
手術の前後で、禁止事項や、守らなければいけないことが何点かあります。
白内障の手術後は、しばらく通院する必要があります。
決められた日程で通院しないと、「眼内炎」などの合併症の発見がおくれて、大変なことになります。
白内障の手術をうけて、人工の眼内レンズを入れると、今までよりも多く、紫外線が網膜に届くようになります。そのため、紫外線をカットするためのメガネやコンタクトレンズ、サングラスを装用する必要がでてきます。
