緑内障の種類
緑内障のうちの約9割は、原因のはっきりしない「原発緑内障」です。
そのうちの「正常眼圧緑内障」は、緑内障全体の約7割をしめています。
つまり、ほとんどの緑内障が、正常な眼圧の範囲内にもかかわらず発症するのです。

緑内障の種類は三つ
緑内障には、大きく分けて三つの種類があります。
「原発緑内障」、「続発緑内障」、「発達緑内障」です。
「原発緑内障」は、原因がわからない緑内障という意味です。これは緑内障全体の約9割をしめています。
原発緑内障は、虹彩と角膜の間の「隅角(ぐうかく)」が開いている「開放隅角緑内障」と、閉じがちな「閉塞隅角緑内障」に分けられます。
この二つの緑内障は、発症の原因も治療法もまったく異なっており、別の眼病ともいえるほどです。
そのほか、まれに起きる緑内障として、ほかの病気に併発する「続発緑内障」、生まれつき発症する「発達緑内障」があります。
開放隅角緑内障
「開放隅角緑内障」は、原発緑内障の大半をしめている症状です。
文字どおり、隅角(ぐうかく)が開いているタイプの緑内障です。

「開放隅角緑内障」では、眼球内の水分である房水が、完全に行き場を失うわけではありません。そのため眼圧が急上昇することはなく、非常にゆっくりと視神経が死滅していきます。
ゆっくりと視野が欠けたり、せまくなるため、自覚症状にとぼしいわけです。
気づいたら末期にまできていた、ということがほとんどです。
「開放隅角緑内障」は、房水の出口が目詰まりをおこすために眼圧が上がるタイプと、「正常眼圧緑内障(NTG)」に分けられます。
正常眼圧緑内障は、緑内障全体の約7割をしめています。
これは、眼圧が正常範囲内にもかかわらず、緑内障になる症状です。
そのため緑内障を発見するためには、眼圧検査だけではなく、広範囲な精密検査を行なう必要があります。
閉塞隅角緑内障
「閉塞隅角緑内障」は、隅角(ぐうかく)が閉じぎみのために、房水の流れが悪くなる症状です。

「閉塞隅角緑内障」は、遠視ぎみの人で50歳以上の女性に多く現れます。
眼球のサイズが小さい人は、眼球内部の房水の通り道がせまくなるのです。
そういったことに加え、年齢を重ねて水晶体が膨張してくると、ますます隅角がふさがりやすくなります。
「閉塞隅角緑内障」の人のうち数パーセントは、急性緑内障発作をおこします。これは、なんらかのきっかけによって瞳孔(どうこう)が開いて、虹彩(こうさい)の根元が盛りあがるときに発生します。
こうなると隅角が閉じてしまい、急激に眼圧が上昇してしまうのです。
「閉塞隅角緑内障」と判明すると、一刻を要するので、レーザー手術を行ないます。
まれな緑内障
そのほか、まれに発生する緑内障として、「続発緑内障」と「発達緑内障」があります。
「続発緑内障」は、ほかの目の病気や全身病、薬の副作用が原因で発症します。原因となる目の病気には、糖尿病網膜症、ぶどう膜炎があります。
糖尿病網膜症の場合は、新生血管が虹彩や毛様体にまで伸びるため、隅角が圧迫され、眼圧が上がります。これを「血管新生緑内障」といいます。
血管新生緑内障は、現代の医学をもってしても治りにくい症状です。
薬の副作用としては、「ステロイド薬」が危険だといわれています。
「発達緑内障」は、生まれつきの緑内障です。
新生児の2〜3万人に1人の確立で発症します。ほとんどは、生後1年以内にかかります。
発症すると、眼球が大きくなったり、「牛の目(牛眼)」のように黒目が異常に大きくなるので、見てすぐにわかります。
発達緑内障は、成人になってから発症することもあります。
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