通電療法と目
- <目次>
- 通電療法とは?
- 通電療法と”視力回復の原理”
- 通電療法の「通院の頻度」は?
- 眼科での「通電療法」の実際
- 通電療法の効果が出やすい「年代」は?
- 通電療法を行なっている「眼科」
- 通電療法と「超音波治療」
通電療法とは?
通電療法とは、眼科で行なわれている視力回復治療です。
その名のとおり、目に電気を流すことによって、近視を治療しようというもの。
ふつう「眼科」というと「目の病気」が専門であり、視力回復には否定的です。
たとえ軽い近視であっても、メガネを処方する眼科専門医が多いのです。
そういったなか、”先進的な考え”をもつ眼科専門医を中心に、通電療法が行なわれています。しかし実施している眼科は、まだまだ少ないのが現状。
眼科の通電療法をうければ、仮性近視は高い確率で治ります。
それどころか、視力0.1という近視であっても、”たった数回の治療”で、視力1.0にまで回復した例もあります。
ただ、通電療法の目に対する効果は、人によって異なるようです。
もっとも効果があるのは、子供。成長期にある人も効果的です。近視になってからの時間が短いほど治りやすいのです。
通電療法と”視力回復の原理”
通電療法では、目の周囲に”微弱な電気”を流して、近視を治療します。
では、なぜ目に電気を流すと、近視の視力回復に効果があるのでしょうか?

まず、そのまえに、「近視」という状態について、かんたんに確認しましょう。「仮性近視」や「軽度の近視」は、目のなかの毛様体筋(もうようたいきん)という筋肉が、こり固まった状態。
いってみれば「肩こり」のようになっているわけです。
毛様体筋とは、遠近調節を行なうところ。つまり、毛様体筋の緊張と弛緩(しかん)によって、レンズである水晶体の厚みを変化させています。毛様体筋が”緊張”すれば、水晶体が厚くなって近くがよく見えるようになり、反対に”弛緩”すれば、水晶体が薄くなって遠くがよく見えるのです。
ところが、近くをずっと見つづける生活をおくっていると、毛様体筋が緊張したままになり、「肩こり」のように、こり固まることがあります。こうなると遠くに目をむけたとしても、毛様体筋がリラックスできなくなることに。その結果、遠くがぼやけて見えるのです。これを「ピントフリーズ現象」といいます。
通常の「肩こり」なら、手でもみほぐせば、そのコリはほぐれます。
しかし目の場合は、眼球のなかに筋肉があるため、そうもいきません。そこで、「電気」を利用するわけです。電流が、凝り固まった「毛様体筋」をほぐし、同時に「目の血行」もうながすことで、近視が視力回復するのです。
通電療法の「通院の頻度」は?
眼科で行なっている通電療法は、健康保険が適用されません。
全額自己負担となります。1回の治療にかかる費用は、だいたい1000〜1500円。ただし施設によって異なります。
実際の電気治療は毎日かよう必要はなく、「週に1〜2回程度」です。
そして治療をつづけていくうちに、視力が回復していき、やがて”上限”まで達したら、「2週間に1回」、「月に1回」、「半年に1回」というように、だんだん治療回数を少なくしていきます。そうすることによって、”頭打ちになった視力の状態”を、長期的に維持していくわけです。
とうぜんのことながら、通院をやめてしまうと、せっかく回復した視力も、また下がっていってしまう可能性があります。そのため一度、視力の上限まで達したら、「視力を上げるため」というより、「視力を維持するため」に通いつづける必要がある、ということです。
眼科での「通電療法」の実際
さて、実際の「眼科の通電療法」では、手を軽く湿らせ、アース棒を握ります。これは、電気がにげやすくするため。そして目を閉じた状態で、担当のスタッフが”2本の電極棒”をつかって、左右の眼を同時に治療していきます。
目頭からまゆ毛のうえ、こめかみ、ほお骨という順序で、ゆっくり電極棒を押し当てながら、まわしていきます。ちょうど、目のまわりの骨に沿うような形。「視力回復の研究ノート」でご紹介している、目のツボの位置にあたります。
眼科の通電療法では、「目のツボ」をとおして電気刺激を送っていきます。
けっして、眼球のうえに直接、押し当てるわけではありません。
実際の治療は、3〜4周ほどで終了。トータルの時間にして、5分間程度です。もしかしたら「ピリピリした感じ」がするかもしれませんが、痛みはありません。
申し出れば、眼科の通電療法の前後に、任意で視力検査を行なうことも可能です。この場合は、検査代が上乗せされます。
通電療法の効果が出やすい「年代」は?
眼科の通電療法がもっとも効果を発揮するのは、「子供」です。
そして、「20歳以下の若い年代層」。理由は以下のふたつです。
- 近視になってからの期間が短い
- 体に水分が多い

近視になってからの期間が短いほど、毛様体筋のコリがほぐれやすくなります。
また、近視が進行していくと、軸性近視といって、眼球(眼軸)がのびてきます。角膜から網膜までが長くなるのです。
こうなると、たとえ毛様体筋がリラックスして水晶体をうすくできたとしても、網膜の手前で焦点をむすんでしまうことに。
前述したように、「視力が途中で頭打ちになる現象」がおきるのは、この軸性部分が原因です。眼球が伸びた分にかんしては、通電療法では治療できないわけです。
また、体に水分が多いほど、とうぜん電気が流れやすくなります。
このため子供が、もっとも視力回復しやすいといえるわけです。これほどすばらしい通電治療は、すべての小学校で実施すべきだと思います。そうすれば、「仮性近視」の段階でストップできるはずです。
以上のように眼科の通電療法は、子供や20歳以下の年代層にとくに効果的です。しかし、なかには、効果があらわれない子供もいるようです。反対に、効果があらわれにくい年配の人が治療をうけて、劇的に視力回復した例もあったりします。
これには、「体質」や「目の状態」などが関係しています。
個人差が大きい治療法ではありますが、とにかく、まだ子供のうちは、ためしに通電療法をうけてみても損はないでしょう。
通電療法を行なっている「眼科」
ここでは、東京で通電療法を取り入れている眼科クリニックをご紹介します。今後、さらに増えていくものと思われます。
なお、近視治療という名目ではなく、「眼精疲労外来」という形で通電療法を行なっているところが、けっこうあります。
通電療法は近眼だけではなく、眼精疲労、目の疲れにも効果があるのです。
名目は眼精疲労でも、効果は同様と考えられます。
「眼精疲労外来」なら、行なっている眼科はもっと多くなります。
医院名 | 所在地 | 電話番号 |
小林チヒロ眼科クリニック | 中央区 | 03-3574-1501 |
アイ・ローズクリニック | 港区 | 03-3503-3900 |
飯田橋眼科クリニック | 千代田区 | 03-5276-2722 |
ワキタ眼科 | 大田区 | 03-3751-7061 |
田園調布眼科 | 大田区 | 03-3722-1988 |
ひとみ眼科クリニック | 国分寺市 | 042-329-8002 |
おがわ眼科 | 国分寺市 | 042-325-4113 |
通電療法と「超音波治療」
通電療法は、目に電気を流します。
これと似たような視力回復法に、「超音波治療」があります。これは超音波治療器ソニマックを使用するというもの。
”電気”は目に見えません。いっぽう、”超音波”も目に見えません。
両者とも、じつによく似ているのです。手でマッサージできない、目のなかの「毛様体筋のコリ」を、手をふれずに、ほぐす効果があるわけです。
超音波治療器ソニマックは、厚生労働省の認可をうけた医療器具。
つまり、その「安全性」は実証されている、というわけです。
ソニマックをつかって”超音波”を目にあてると、毛様体筋のコリがほぐれるのはもちろん、網膜などの細胞の新陳代謝もうながします。そのため、眼病の予防にも効果を発揮すると思われます。
今後、眼科の「通電治療」に通いつづけると、トータルで、かなりの費用がかかります。先ほどのべたように、通院をやめてしまえば、いったんよくなった視力も、ふたたび低下してしまうことに。いっぽう「超音波治療器ソニマック」なら、自宅で好きなときに、好きな格好でできるので長続きします。
一度、眼科で通電療法をうけてみて効果がなかったら、超音波治療器ソニマックをつかうのがよいと思います。あるいは、通電療法によって回復した視力を、ソニマックをつかって維持していく、という考えかたもできます。
「視力回復の研究ノート」では、圧電素子方式による、電池のいらない、携帯用電気グッズもご紹介しています。こういった視力回復グッズをつかって、目のツボに電気を流すこともできます。
これなどは、自宅で、自分1人でもできる”通電療法”といえるでしょう。
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