ラセック(LASEK)手術
- < 目次 >
- ラセック手術とは
- 手術の実際
- ラセック手術のメリット
- ラセック手術のデメリット
ラセック(LASEK)手術とは
ラセック手術とは、角膜上皮層だけをめくり、そこにエキシマレーザーを照射する治療法です。角膜をめくるさいに、アルコールにひたす点が特徴です。

角膜実質層をけずることによって、角膜全体の屈折力を弱め、近視を矯正します。
この点は、レーシック手術と同様。
ラセック(LASEK)は、「ラゼック」「ラーセック」「レーゼック」とも読みます。
ラセック手術は、レーシックとPRKのもつ欠点をおぎなうために、1999年にイタリア人の医師が考案しました。
しかし、レーシックを越えるほどの効果はなく、やや下火になっています。
角膜をアルコールにひたすと、やわらかくなり、ふやけてきます。
このため、かんたんに角膜上皮層だけを、めくることができるのです。
原理は、指先がふやけることと同様。上皮層は、角膜における皮膚です。
ラセック手術ではレーシックよりも、角膜実質層を厚くけずり取ることができます。そのため、さらに強度の近視でも視力回復が可能。
角膜がうすい人は、レーシックでは不適応でも、ラセックという選択がのこされています。
ただしラセック手術では、角膜へのアルコールの影響が心配されています。
また手術後、しばらくはよく見えません。人によっては、かなり痛むことも。

ラセック(LASEK)手術の実際
@ まず、点眼麻酔を行ないます。これにより、手術中は痛みがありません。
A 角膜をアルコールにひたし、ふやけさせます。
B 角膜がふやけたところで、角膜上皮層をひっかくようにして、めくります。

C 角膜上皮層の下にあるボーマン膜のうえから、コンピュータ制御されたエキシマレーザーを照射します。

D ボーマン膜と角膜実質層の一部を、エキシマレーザーでけずり取ります。
これにより、角膜の強すぎる凸の形を弱め、近視を矯正。

E めくっていた角膜上皮層を、もとのように角膜表面にひろげます。

F 治療用のコンタクトレンズを装用して、目の表面を保護します。
G もとにもどした角膜上皮層は、見せかけのもの。
でこぼこしているため、よく見えません。やがて、かさぶたのように、自然にはがれおちます。
そのかわり、新しい角膜上皮層が再生してきます。これは皮膚と同じ原理。
ラセック(LASEK)手術のメリット
- 角膜上皮層だけをめくるため、レーザーでけずり取れる部分が多くなる。
- このためレーシックとくらべて、より強度の近視に対応が可能。
また、角膜がうすい人でも手術をうけられる。 - 手術後の角膜は、レーシックとくらべて厚くなる。
レーシックよりも、角膜の強度が高く保たれる。 - このためラセック手術は、目に衝撃をうける可能性がある、格闘技の選手に向いている。
- 角膜上皮層のみのフラップ(ふた)であり、やがてはがれ落ちる。
そのためレーシックで発生しがちな、フラップ作成にともなう炎症や位置ずれ、ドライアイなどがおこらない。 - レーシックのように、網膜に障害がおきる危険がない。
フラップをけずる機械を使用すると、眼圧が上昇する。そうすると視神経が減って、視野が欠けることが。しかしラセックでは、この心配がない。
ラセック(LASEK)手術のデメリット
- 角膜に対する、アルコールの影響が心配されている。
- 手術後は目が痛む。
ただし、PRK手術ほどの痛みはない。いちおう、目の表面を角膜上皮層がおおっているため。ただし人によっては、かなり痛むことがある。 - 目の保護のため、しばらく治療用コンタクトレンズを装用する必要がある。
- 手術後は、しばらく視力がでない。
- 視力が安定するまで、時間がかかる。
- そのため、両目同時に手術ができない。
1週間ほどおいて、もう片ほうの目の手術を行なう。
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