レーシックの後遺症
いろいろなレーシックの後遺症〜目次
- レーシックの後遺症とは
- 【おきがちなレーシックの後遺症・合併症】
- ぼやける
- 夜間視力の低下
- ドライアイ
- 矯正不足と過矯正
- 屈折のもどり
- 【まれにおきる、レーシックの後遺症・合併症】
- 感染症
- 上皮迷入 (エピセリアール・イングロース)
- DLK (フラップの下の炎症)
- フラップの形成不全
- フラップの位置ずれ
- 角膜上皮のトラブル
- レーザーのずれによる乱視の出現
- 角膜エクタジア (強い乱視)
レーシックの後遺症とは
レーシックには後遺症や合併症があると、よく聞きます。
ただし、これは旧式のレーシック手術でのこと。最新の手術であるイントラレーシックをうければ、レーシックの後遺症は気にならないレベルといえます。
また、角膜を削るエキシマレーザーの照射技術も、格段に向上しています。そのため、このページに書かれているレーシックの後遺症は、「発生するかもしれない」というレベルになってきています。
ただし、最低でも「イントラレーシック」をうけることが条件。
さらに高精度のアイレーシック(ilasik)やZレーシックをうければ、なお安心です。もちろん最終的には、レーシックのクリニック次第といえるでしょう。
もし旧式のレーシックをうけると、ここに書いてあるようなレーシックの後遺症がでる可能性が高くなります。
旧式のレーシックとは、マイクロケラトームという器械によってフラップ(ふた)を作成する「ケラトーム・レーシック」。
器械をつかって角膜をけずるため、でこぼこになってしまうのです。
いっぽう「イントラレーシック」とは、イントラレースというレーザーをつかって、フラップを作成。このため精密で、きれいなフラップをつくることが可能。
このページに書かれているレーシックの合併症の大半は、旧式の「ケラトーム・レーシック」に対するものとお考えください。
ただし、まれにレーシックの後遺症が出る可能性はのこされています。
しかしたいていは、時間の経過とともに改善していくものです。また、早期に発見して適切に対処すれば、治すことが可能です。
そのためにもレーシックの術後に、定期診察をうけることがたいせつです。
おきがちなレーシックの後遺症
ぼやける
手術後、視界が全体的にぼやけて見える、というレーシックの後遺症がおきることがあります。目のまえに霧がかかったような状態です。
しかし、これは一時的なもの。時間がたつにつれて改善していきます。
近視の矯正をうけた場合、一時的な遠視状態になることがあります。
近くが見づらくなるわけです。この場合は、近くを見るときに、一時的に「遠視用メガネ」をかけて対処します。
また、遠視の矯正をうけた場合、一時的な近視状態となることがあります。
遠くが見づらくなるのです。
このような現象は、手術前の近視や遠視の度が強かった人ほど、起こりやすいといわれています。
夜間視力の低下
手術後、夜間視力が低下する、というレーシックの後遺症がおきることがあります。
運転中、対向車のライトがぼんやりと、にじんで見えたりします(ハロー現象)。あるいは、光をまぶしく感じたりします(グレア現象)。
そのほか暗い場所に行くと、よく見えないといった症状が起きます。
これは、網膜の視細胞が原因ではありません。
暗い場所にいくと、瞳孔(どうこう)が広がります。そのため、エキシマレーザーでけずった部分と、けずっていない部分の”境目”からも光が通過するからです。
近視の度が強い人は、より深く角膜をけずります。
このため、けずられた部分と、けずられていない部分との「段差」が大きくなります。そうなると、よりいっそう夜間視力の低下が起こりやすくなります。
明るい場所では、瞳孔が小さくなります。
そのため、けずった部分の境目をとおった光は、瞳孔を通過できません。
夜間のような視力の低下は、おきないわけです。
夜間視力の低下は、90%の人は時間がたつにつれて、徐々に軽減していきます。しかし、症状がやや残ってしまう人も。
以上のレーシックの後遺症は、旧式のケラトーム・レーシックでのこと。
最新のイントラレーシックでは、ほとんど心配はいらないでしょう。
夜間視力の質は、従来とくらべて格段に向上しています。
ドライアイ
手術後、目が乾燥しやすくなる、というレーシックの後遺症がおきることがあります。ドライアイの症状です。
レーシック手術では、フラップをつくるときに、角膜にある神経を切断するためです。この症状は、手術後2〜3ヶ月ほどつづきます。
あまりにドライアイがひどいときは、点眼を多くしたりします。
あるいは、涙の排出口である「涙点(るいてん)」を、プラグでふさぐという方法も。涙点は、目頭にある小さな穴。
この方法によって、目の表面にとどまる涙の量を多くするのです。
この涙点プラグは、外来ですぐに、付けはずしをしてもらえます。
PRKやラセック手術、エピレーシックといった視力回復手術では、フラップ作成時に、角膜実質部分の神経を切断しません。従来型レーシックのように、厚いフラップをつくらないからです。そのため、ドライアイにはなりません。
矯正不足と過矯正
手術後、「矯正不足」や「過矯正」という、レーシックの後遺症がおきることがあります。
説明するまでもありませんが、矯正不足とは、目標の視力にとどかないこと。過矯正とは、視力が出すぎてしまうこと。
しかし、角膜をけずるエキシマレーザーの照射技術は、年々向上しています。従来おきがちだった、こういったレーシックの合併症も徐々になくなっていくことでしょう。
しかし、まれに期待通りの視力をえられないこともあると、心得ておくことがたいせつです。
屈折のもどり
手術後、しばらくは快適に見えていても、時間がたつにつれて視力がもどっていく、というレーシックの後遺症がおきることがあります。
手術前の度が強かった人ほど、屈折の戻りがおきやすいといわれています。とはいっても、完全に手術前の視力にもどることは、ありえません。
やや近視がでてくる、という程度です。
この場合、従来型の「ケラトーム・レーシック」では、以前つくったフラップ(ふた)をあけて、再手術を行なうことができます。
いっぽう、フラップをつくらない「PRK手術」では、そうはいきません。
またフラップが薄いため、じきにはがれおちる「ラセック」、「エピレーシック」といった手術でも、ケラトーム・レーシックのような再手術はできません。
ケラトーム・レーシックは、初期の手術法でありながら、いざというときの再手術に力を発揮するわけです。
屈折のもどり以外でも、近くを見る作業によって目を酷使していれば、ふたたび近視になります。眼軸(目の奥行き)が、さらに伸びるからです。
このためレーシック手術をうけたあとは、近視を進行させないように、目に疲れをためない工夫がたいせつです。
まれにおきる、レーシックの後遺症
手術後、まれに発生するレーシックの後遺症、合併症があります。
これは、すべての人に起きるわけではありません。
たとえ、レーシックの後遺症が発生したとしても、早期発見し、適切な対処をすれば、確実に治すことができます。
なお、眼科専門医が行なった視力回復手術において、失明したという例はひとつもありません。
感染症
レーシック手術後、まれに感染症にかかることがあります。
感染症にかかりやすい体質の人がいるのです。
クリニック側の問題で、手術器具の滅菌処理が、ずさんなこともあります。
この場合は、集団感染をおこします。このことからも、クリニック選びは慎重に行なうことがたいせつ。
レーシック手術後の感染症をほうっておくと、角膜がにごることがあります。
きちんとしたクリニックでは、こういった感染症をふせぐために、手術後、点眼薬や内服薬を処方してくれます。
これを指示通り使用しないと、感染症にかかる確率が高くなります。
上皮迷入(エピセリアール・イングロース)
手術後、角膜上皮細胞がフラップの下の角膜実質層に入り込む、というレーシックの後遺症がおきることがあります。
これを「上皮迷入(エピセリアール・イングロース)」といいます。
ただし、このレーシックの合併症は、旧式のケラトームレーシックでのこと。ケラトームレーシックでは、マイクロケラトームというカンナ状の器械によって、フラップをつくります。そのため、切り口が鋭角になってしまうのです。
この点、最新のイントラレーシックでは、上皮迷入はおこらなくなっています。フラップをレーザーによって、きれいに作成できるからです。
現在のレーシック手術の主流は、イントラレーシックです。
イントラレーシックやアイレーシック(ilasik)、Zレーシックをうけるかぎりは、まったく気にしなくてよいレーシックの後遺症といえます。
こういった従来型レーシックの後遺症(上皮迷入)は、フラップがじきにはがれおちる「ラセック手術」や「エピレーシック手術」でも起こりえません。
DLK(フラップの下の炎症)
手術後まれにフラップの下に、DLKという炎症をおこすことがあります。
このレーシックの後遺症・合併症は、手術をうけた人のうち、2%程度に見られる現象です。
従来型のケラトーム・レーシック手術では、フラップをつくるとき、角膜実質部分までを切断し、再びかぶせます。
いったん切断したものを、自然接着させようというわけです。目にとっては、ふつうのことではありません。DLKがおきる原因は不明とされています。
DLKは、従来型のケラトーム・レーシックにおきやすい現象です。
エピレーシック手術でつくるフラップは、かさぶたのように、やがてはがれおちます。角膜上皮層のみのフラップだからです。皮膚と同じように、角膜の表面がふたたび再生してくるので、DLKはおこりえません。
DLKのほとんどは、点眼薬や内服薬で治すことができます。
しかし、まれに悪化するケースも。この場合でも早期に発見し、適切な手術をほどこすことで治すことができます。
早期発見のためにも、手術後の定期健診が重要になってくるのです。
フラップの形成不全
レーシック手術中に、フラップが完全に切り離されてしまうことがあります。
フラップは本来、一部分が角膜とつながっているものです。
そのほかフラップの切断面が、洗濯板のように”でこぼこ”になることも。
これを「ウォッシュボード・エフェクト」といいます。
ケラトーム・レーシックでは、マイクロケラトームという器具を使用します。
そのため、切断面がどうしても「でこぼこ」になってしまうのです。
また器械を使用するため、このフラップのヒンジ(ちょうつがいのような部分)が、どうしても斜めになりがちです。
しかし現在の主流は、イントラレーシック。
イントラレースというレーザーによって、フラップを作成するので、非常になめらかな切断面にすることが可能です。
フラップの位置ずれ
手術直後は、フラップがきれいに閉じたとしても、不注意からフラップの位置がずれたり、しわができてしまう、というレーシックの後遺症があります。
手術後の早い時期に、目を強くこすったり、ぶつけたような場合です。
このため、寝ているときに目をこすらないように、しばらくの間、就寝時は目に「保護カバー」をつけるようにします。
もしフラップの位置がずれたり、しわができた場合でも、数日以内に整えれば、元にもどせるので大丈夫です。
ただし、そのままほうっておくと、フラップが元にもどらなくなります。
角膜が、ずれたまま固まってしまうので、視力低下の原因になります。
角膜上皮のトラブル
医師の不注意によって、角膜表面に傷をつけてしまうことも、まれにあります。この場合、手術後に痛みが生じます。
手術中は麻酔がきいているので、わかりません。
これとは別に、角膜上皮層の結合が弱い人は、ちょっとした刺激で、角膜表面の一部がむけてしまうことがあります。
高齢のかたや、角膜に傷をつけた経験がある人におこりがちです。
レーザーのずれによる乱視の出現
手術中まれに、エキシマレーザーの照射がずれることがあります。
そうなると、手術後に乱視が出現したり増強したりする、というレーシックの後遺症・合併症が発生します。
これはレーザーが動くからではなく、眼球が動いてしまうために起こります。手術中は、ランプの一点を見るように指示されます。しかし、なかには目が動いてしまう人もいるようです。
最近は、患者の目の動きに合わせて、レーザーが移動する「アイトラッキング・システム」が導入されるようになってきました。
手術中に、たとえ患者の目が動いてしまったとしても、コンピュータが患者の瞳孔(どうこう)を追っていくのです。
このシステムを導入しているレーシックのクリニックを選べば、安心です。つねに瞳孔の中心部にエキシマレーザーを照射できるため、乱視は発生しづらくなります。
角膜エクタジア
手術で角膜を削りすぎると、「角膜エクタジア」というレーシックの後遺症がおきることがあります。
強度の近視の場合、角膜を必要以上に削りすぎると、角膜がかなり薄くなります。そうなると、角膜の強度が低下してしまいます。
その結果、角膜が眼圧に負けて変形。強い乱視をひきおこすのです。
角膜エクタジアは、充分な知識をもっている眼科専門医が手術を行なった場合、おこりえない症状です。
眼科専門医以外の、美容外科や形成外科の医師が行なった場合に、おこりがちなレーシックの後遺症。このため、クリニック選びはたいせつです。
もし、こういった被害をうけた場合、メガネやコンタクトレンズで矯正をします。角膜内にリングをうめこむ、「角膜内リング」という手術法も。
これは角膜がうすい人や、角膜が突きでてくる病気である「円錐角膜」などの治療に用いられています。
この方法でも矯正できないほど、角膜がゆがんでしまった場合は、角膜移植という手段がのこされています。
