レーシックの不適応条件
レーシックの不適応条件にあてはまる人は、手術をうけられません。
これは高い確率で発生する、レーシックの失敗や後遺症の危険を回避するためです。レーシックが不適応になる条件には、以下のようなものがあります。
- 年齢が18歳未満
- 目の病気や全身病がある
- 強度の近視
- 角膜がうすい
- 妊娠中や授乳中
- ピルや抗うつ剤を服用している
年齢が18歳未満
年齢が18歳未満の人は、原則としてレーシックは不適応になります。
年齢制限のラインは、クリニックによって異なります。
施設によっては、20歳未満をレーシックの不適応としているところも。
目当てのクリニックがみつかったら、直接、聞いてみるといいでしょう。
20歳未満の人は、成長期にあたります。
そのため、視力も不安定な状態。かりにレーシック手術をうけて視力が回復したとしても、その後、近視が進んでしまう可能性があるのです。
これでは手術をうけた本人にとっても、いいことではありません。
18歳未満の人は、規定の年齢になるまでは、メガネやコンタクトレンズによって矯正するしかないといえます。
睡眠中に視力を矯正する「オルソケラトロジー」という選択肢もあります。
ただし職業的に、どうしても手術が必要な場合には例外もあります。
規定年齢に達していなくても、保護者の同意があれば、手術を行なうこともあるようです。
そのほか18歳以上であっても、過去1年間に視力の変動がはげしい人は、レーシックが不適応となる場合があります。
目の病気や全身病がある
目の病気や、重い全身の病気がある場合、レーシックが不適応になります。
目の病気とは、まず角膜の病気。
角膜炎、角膜ヘルペス、円錐角膜、重度の乱視、重度のドライアイなどです。
角膜ヘルペス・ウィルスは、多くの人に潜伏感染しています。
しかし、まったく発病しない人もいます。角膜ヘルペスの人は、レーシック手術をきっかけに過去の症状が再発し、悪化する危険があります。
円錐角膜とは、角膜の一部がうすくなるため、眼圧によって突き出る病気。

この病気がある人は、レーシック手術を行なうと、視力を回復させるどころか、悪化させてしまう危険があります。
こうなると、角膜移植ということも。
そのほか白内障、緑内障、糖尿病網膜症、網膜の病気が検査で見つかった場合も、レーシックは不適応となります。
全身の病気としては、膠原病(こうげんびょう)や糖尿病があると、レーシックが不適応になる場合があります。
糖尿病の人は傷の治りがおそく、炎症や感染をおこしやすいからです。
強度の近視
−10.0Dを超えるような強度の近視の場合、レーシックが不適応となることがあります。この基準は施設によって異なります。
なかには、−12.0Dまでは適応としているクリニックもあります。
強度の近視の場合、より多くの角膜をけずらなければなりません。
角膜をけずりすぎると手術後に、角膜の強度が弱くなる可能性があります。こうなると角膜が変形して、乱視を引き起こす危険が。
強度の近眼の人が視力回復するには、「エピレーシック」、「ラセック」といった手術法がいいでしょう。
これなら角膜を厚くのこせるため、強度の近視であっても視力回復できます。
けずる量をおさえた「イントラレーシック」でも、矯正できる場合があります。
また、レーシック手術と「角膜内リング」を組み合わせる、という方法も。
これにより、最強度の近視でも矯正できます。
角膜内リング手術は、角膜をけずらずにリングを埋め込みます。
そのため、角膜をけずるレーシック手術と組み合わせることができるのです。
そのほか、「有水晶体眼内レンズ(フェイキックIOL)」は、最強度の近視でも視力回復できる方法として、注目を集めています。
これも角膜をけずらずに、眼球内にレンズを埋め込む手術法です。
そのほかの、レーシックの不適応条件
そのほかにも、レーシックが不適応となる条件があります。
- 角膜がうすい
- 角膜がうすい場合、それほど強度の近視ではなくても、レーシックが不適応となることがあります。けずり取れる角膜の量が少ないため。
この場合は、「強度の近視」の項で述べたような手術が有効です。 最新のイントラレーシックがうけられる場合もあります。 - 妊娠中や授乳中
- 妊娠中や授乳中は、ホルモンの影響によって視力に変動があります。
そのため、この時期にレーシック手術をうけることはできません。 - ピルや抗うつ剤を服用している
- ピル(経口避妊薬)や抗うつ剤を服用している場合は、レーシックが不適応になります。これらを服用していると、視力に変動があるためです。
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