レーシックの最新機器と技術
レーシック手術の精度は、年々向上しています。
これはレーシックに、最新機器や技術が導入されているからです。
機械だけではなく、それを動かすソフトもバージョンアップをつづけています。
- ウェーブフロント ・・・ 収差(細かな乱視)をとる
- アイトラッキング・システム ・・・ 瞳孔(どうこう)の動きを追う
- トーション・エラー・ディテクション(TED) ・・・ 虹彩の模様を検知する
現在のレーシック手術は、「イントラレーシック」が主流になっています。
これはレーザーによって、角膜にフラップ(ふた)をつくるというもの。
さらに、このイントラレーシックをもとに、このページで解説しているようなレーシックの最新機器や技術をオプションでつけたものが、登場してきています。
「アイレーシック(iLasik)」や「Zレーシック」とよばれる手術法です。
これによって、レーシックの後遺症や合併症は、ほとんどなくなってきています。
レーシックの最新機器と技術@ 〜 ウェーブフロント
レーシックの最新機器、技術のひとつに、ウェーブフロントがあります。
ウェーブフロントを直訳すると、「波面」になります。これは「ウェイブスキャン(WaveScan)」という検査機器をつかうレーシックのこと。
ウェーブフロント技術を導入したレーシックを、「ウェーブフロント・レーシック」といいます。「カスタム・レーシック」ともいいます。
だれの目の角膜にも、それぞれ細かな”ゆがみ”のようなものがあります。
これを「収差」といいます。

その程度は、人によって異なります。
これがあると、気づかないほどの乱視をひきおこします。
そこで、この収差をとることができれば、現在よりもクリアな視界が実現できるのです。
ウェーブフロント・レーシックの最新機器をつかえば、この「波面収差」をとったり、増やさないようにしながら手術を行なえるのです。
つまり個人によってカスタマイズできる、オーダーメイドの手術が、カスタム・レーシックといえます。
一時期、すべての収差をとろう、という試みがなされたことがありました。
角膜から、すべてのゆがみを取れば、視力3.0や4.0という最高の視力(スーパビジョン)を実現できるのではないかと考えたわけです。
しかし、こまかな収差をすべて取ってしまうと、かえって目のもっているバランスが崩れてしまうことがわかってきました。
収差はムダなものではなく、意味のあるものだったのです。
そこで現在は、もともともっている収差を、増やさない方向で手術が行なわれています。
ウェーブフロント・レーシックでは、角膜をなだらかに削ることができます。
このため従来のレーシックでおきがちな、夜間視力の低下を軽減させることが可能に。夜間の光のぎらつきや、ぼやけが、ほとんどなくなるわけです。
レーシックの最新機器と技術A 〜 アイトラッキング・システム

アイトラッキング・システムとは手術中、瞳孔(どうこう)の動きを追うことができる、レーシックの最新機器であり技術です。
かつては医師が、自分の目で患者さんの瞳孔の位置を確認していました。
そして患者さんは、あお向けの状態で、天井のランプを見つめるように指示されます。そのまま目を動かさないようにして、手術を行なっていたのです。
この従来の方法では、手術中に患者さんの視線が動いてしまうと、エキシマレーザーの照射位置がずれてしまいます。
こうなると、乱視というレーシックの後遺症が出現することに。
レーシックの最新機器、技術である「アイトラッキング・システム」では、患者さんの瞳孔の位置を、自動的に検知。
レーザーは患者さんの瞳孔に合わせて、動くようになっています。
また最新の機器では、患者さんの目が大きく動いた場合は、追跡するのではなく、レーザー照射を自動的に停止。セーフティー機能がはたらくわけです。このレーシックの最新機器、技術によって、レーザーの照射位置がずれるということが少なくなりました。
もちろん患者さんには、以前と同じように、天井のランプを見るという「努力」をしてもらったうえでの話です。
レーシックの最新機器と技術B 〜 トーション・エラー・ディテクション
トーション・エラー・ディテクション(TED)とは、人間のもつ虹彩(こうさい)の模様(虹彩紋理)を検知するための、レーシックの最新機器、技術です。
虹彩(こうさい)とは、黒目の部分です。
日本人は茶褐色で、欧米人は青かったりする場所。中心は瞳孔です。
この虹彩は、頭の向きによって位置がかわります。横になると重力の影響で、虹彩が回転するのです。

検査は通常、イスにすわって行ないます。
しかしレーシック手術では、あお向けになります。
このため検査時と手術中では、虹彩の位置が異なり、乱視が増強するという問題がありました。乱視が強い人は、虹彩のねじれにより、矯正誤差をおこす危険があったのです。
レーシックの最新機器、技術である「トーション・エラー・ディテクション」では、患者さんの虹彩の模様を認識します。
手術時に虹彩が回転しても、そのぶんレーザーの照射位置をずらして、正しくけずってくれるのです。
また検査時は照明が暗いため、瞳孔が大きくなります。
いっぽう手術時は、明るいレーザーを照射するため、瞳孔が小さくなります。
瞳孔が大きさを変えるだけなので、中心の位置は変わらないと思いがちです。ところが瞳孔の大きさがかわると、瞳孔の中心も移動してしまいます(瞳孔重心移動)。レーシックの最新機器・技術では、この瞳孔の移動を検知、補正して、レーザー照射を行なってくれます。
この瞳孔の中心位置の補正とともに、さきほどの「回旋」も同時に行なうレーシックの最新機器・技術を、「アイリス・レジストレーション(IR)」といいます。
アイレーシック(iLasik)やZレーシックで、活用されています。
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