ゼアキサンチン
網膜の中心である「黄班部(おうはんぶ)」には、ルテインだけではなく、
ゼアキサンチンという成分もふくまれています。

「ルテイン」と「ゼアキサンチン」は、つねに仲良く、一緒に存在しています。
ともに黄斑部を、光の害から守ってくれているのです。
ゼアキサンチンは、ルテインと同じく、緑黄色野菜に多くふくまれています。
「ルテイン」と「ゼアキサンチン」は似ている
ルテインとゼアキサンチンは、たがいに似ていて、つねに一体となって存在しています。
ルテインとゼアキサンチンは、専門用語で「構造異性体」の関係にあります。聞きなれない言葉かと思いますが、「構造異性体」とは、「化学における分子式・構造式はひとしいものの、原子間の結合関係が異なる分子」のこと。
かんたんにいえば、ルテインとゼアキサンチンは、ほとんど似たような成分でできている、ということです。
そのため、両者は似たような働きをもっています。
ゼアキサンチンと黄班部
ゼアキサンチンは、網膜にある黄班部(おうはんぶ)の、さらに中央部分
「中心窩」(ちゅうしんか)に、とくに多くふくまれています。
いっぽうルテインは、黄班部のなかでも、その周辺に多くふくまれています。

黄斑部とは、網膜の中央部分。
外界の何かに視線を合わせたとき、その像がちょうど映じる部分にあります。そして、黄斑部の中央にいくほど、つまり「中心窩(ちゅうしんか)」に近づくほど、紫外線や有害な可視光線の影響をうけがちな状況になります。
このように、黄斑部のなかでも、とくに過酷な環境にある「中心窩」に、なぜ、ゼアキサンチンが多く存在しているのでしょうか?それは、ゼアキサンチンのほうが、ルテインよりも、さらに強力な抗酸化作用を発揮するからです。
ルテインよりも、さらに強力な抗酸化作用によって、黄班部のさらに中心部を、活性酸素の害から守ってくれているのです。
それなのに、なぜ「ルテイン」のほうが注目されているのでしょうか?
「ルテイン」は「ゼアキサンチン」に変換
ルテインは体内に入ると、その一部がゼアキサンチンに変換されます。
ルテインを摂取するだけで、体内で「ルテイン」と「ゼアキサンチン」に分かれるわけです。これが、ルテインのほうが注目されている理由です。
そのため、錠剤でルテインを摂取する場合は、ルテイン単独のものを選べばよいことになります。
より正確にいえば、ルテインを摂取すると、その一部が、「ゼアキサンチン」に変わるのではなく、「ゼアキサンチンと似たような働きをする物質」に変換されます。専門的にいうと、ルテインの一部が、「メソゼアキサンチン」という物質に変換されるのです。

メソゼアキサンチンとゼアキサンチンは、また専門用語になりますが、「立体異性体」の関係にあります。「立体異性体」とは、前述の「構造異性体」と同じようなイメージで考えればよいでしょう。つまり、ほとんど構造が似ている者同士ということ。
メソゼアキサンチンは、ゼアキサンチンと同様のはたらきをするわけです。
そこで、わかりやすくする説明するために、この項目の最初で、「ゼアキサンチンに変換される」と表現したわけです。
以上のようなしくみになっているので、もし錠剤で「ルテイン」を摂取するときは、べつに「ゼアキサンチン」が配合されていなくてもよい、ということです。
ちなみに、「ケール」などの、天然の緑黄色野菜の場合は、はじめから、ルテインとゼアキサンチンの両方の成分が、野菜にふくまれています。
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