ビタミンAの摂取
ビタミンAは脂溶性のため、過剰摂取には充分な注意が必要です。
ベータカロチンには抗酸化作用があり、目を酸化から守ってくれます。
ビタミンAとは
ビタミンAは、脂溶性ビタミンの一種です。
ビタミンAは、大きく二つにわけられます。
ひとつは、ビタミンAそのものである「レチノール」。これは、魚介類や肉類といった動物性食品にのみ、ふくまれています。
もうひとつは、「ベータカロチン(ベータカロテン)」。
これは、緑黄色野菜に多くふくまれています。
ベータカロチンが体内に摂取されると、3分の1ほどがビタミンAに変換。
のこり3分の2は、ベータカロチンのまま体内に残ります。
体内に残ったベータカロチンは、「抗酸化物質」としてはたらきます。
眼球のなかでは、「ビタミンC、ビタミンE、ルテイン」などといっしょに、目の組織を酸化から守ってくれています。
ビタミンAの摂取と含有食品
ビタミンAそのものである「レチノール」が多く含まれる食品は、前述したように肉類や魚介類です。肉類では「レバー」にもっとも多く、魚介類では、「うなぎ」に多くふくまれています。
そのほか牛乳などの「乳製品」にも、レチノールがふくまれています。
いっぽう、「ベータカロチン」の形で含まれている食品は、緑黄色野菜。
「モロヘイヤ、かぼちゃ、ニンジン」などに、多くふくまれています。
ベータカロチンをとると、体が必要とするぶんだけが、ビタミンAに変換されます。そのため、緑黄色野菜の形でとるようにすれば、ビタミンAの摂取が過剰になることはありません。
ビタミンAの摂取と注意点
ビタミンAは、摂取するうえで、注意が必要な栄養素です。
ビタミンAは脂溶性のため、体内に蓄積されます。
そのため、毎日かならずとる必要はありません。また、現代の食生活では、ビタミンAが不足する心配もありません。ただ授乳婦の場合、不足しがちなので、意識的にビタミンAを摂取する必要があります。
ふつうの食事をとっていれば、ビタミンAの過剰症の心配はありません。
ただ、ビタミン剤からとる場合は、過剰摂取に注意する必要があります。ビタミンA摂取の過剰症としては、頭痛や吐き気などの副作用があります。
なお妊娠初期の人は、過剰にビタミンAを摂取すると、奇形児が生まれる危険があるので、注意する必要があります。
ビタミンAは「ビタミンD」と一緒にとると、吸収がよくなります。
太陽にあたると、体内でビタミンDが生成されます。「ビタミンAによる角膜や結膜の保護作用」を高めるためには、ある程度の日光浴も大切。
太陽に当たりすぎると、紫外線の害をうけるため、適度にあたりましょう。
ベータカロチンとビタミンAの摂取
ベータカロチンの抗酸化作用を最大限に生かしたい場合、ベータカロチンと同時に、ビタミンA(レチノール)をとると効果的です。
通常、ベータカロチンだけを摂取すると、前述したように3分の1がビタミンAに変換。のこり3分の2が抗酸化物質として、体内で活用されます。
しかし、体が必要とする量のビタミンAも、同時に摂取すれば、体内にとりこまれたベータカロチンは、ビタミンAに変換されなくなります。
つまり、ベータカロチンのほとんどを、抗酸化物質として使えるわけです。
そのすべてが、活性酸素の退治に専念できるのです。
ちなみに、同じカロテノイドの仲間であるルテインも、まったくビタミンAに変換されません。そのため、すべての成分が抗酸化物質に。
ルテインが強力な抗酸化物質として活躍できるのは、このためです。
ベータカロチンとビタミンAを同時に摂取すると、ルテインのような強力な抗酸化効果が期待できるわけです。
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