ビタミンB2の摂取
ビタミンB2は、脂質の代謝にかかわっています。
そのため、ビタミンB2を摂取すると、細胞の成長が促進されます。
目においては、粘膜である「角膜」や「結膜」を、健康にたもってくれます。
そのほかビタミンB2の摂取は、血液中の過酸化脂質を分解。
その結果、動脈硬化を予防します。目においては、網膜にある血管の動脈硬化をふせいでくれます。

ビタミンB2の摂取と、脂質の代謝
ビタミンB2は、脂質の代謝を助ける補酵素です。
別名を「リボフラビン」といいます。
ビタミンB2は脂質だけではなく、糖質の代謝にもかかわっています。
脂肪の摂取量が多い人は、同時にビタミンB2の摂取量も多くしなければなりません。そうしないと脂肪がエネルギーとして使われず、たまる一方に。
エネルギーとして使われなかった脂肪は、体脂肪としてたくわえられます。
ビタミンB2の摂取が不足したり、脂肪分をとりすぎると、血液中にある脂肪の代謝がわるくなります。そうなると、血液中に脂肪分があふれかえります。
それは、やがて高脂血症をひきおこします。
さらに放置していると、動脈硬化をまねく原因になります。
ビタミンB2の摂取と、成長の促進
ビタミンB2を摂取すると、全身にある細胞の、再生と成長を促進します。
とくに、成長期にビタミンB2が不足すると、成長が止まってしまう可能性があります。
ビタミンB2の摂取が不足すると、細胞の再生がうまくいかなくなります。
全身の細胞は、つねに作り変えられ、入れかわっています。
ビタミンB2が不足すると、この再生の過程で、異常がおきてくるわけです。
そのため、いろいろな細胞の”ゆがみ”が発生します。
見た目にも”いびつな形”としてあらわれます。
たとえば、ビタミンB2の摂取が不足すると、口内炎、舌炎、口唇炎、肛門や陰部がただれる、といった症状がおきてきます。
髪やつめ、肌にも、見てわかるほどの変化があらわれます。
ビタミンB2の不足は、粘膜や肌といった「表面」に影響があらわれるのです。
ビタミンB2の摂取と、角膜・結膜
ビタミンB2の摂取が不足すると、新しい細胞が作られにくくなります。
そうすると、目の表面にある「角膜」や「結膜」といった”粘膜”が荒れてきて、ゴロゴロした感じになります。
「角膜」とは、黒目の真上にある透明な組織。(上のイラスト参照)
ちょうどコンタクトレンズをのせる部分です。
「結膜」とは、白目部分の表面と、まぶたの裏側をおおっている透明な膜。
コンタクトレンズを装用していると、どうしても、角膜の表面である「角膜上皮層」に傷がつきがちになります。通常、こういった傷は、一晩で治るものです。
しかし、ビタミンB2の摂取が不足すると、そうした傷が治りづらくなります。
これを放置していると、傷がふかくなり、重症の「角膜浸潤(しんじゅん)」や、「角膜潰瘍」(かいよう)にまで進行していくことも考えられます。
このことからも、コンタクトレンズを快適に装用しつづけるためには、ビタミンB2は欠かせない栄養素です。同時に、ビタミンAもたいせつです。
そのほか、ビタミンB2の摂取が不足すると、結膜の代謝が悪くなります。
その結果、白目が充血することに。また、角膜の代謝が悪くなると、ちょっとした光でも、まぶしく感じるようになります。
ビタミンB2の摂取と、動脈硬化の予防
ビタミンB2の摂取は、過酸化脂質を分解して、動脈硬化を予防します。
食事から脂肪をとると、体内で酸化をおこし、「過酸化脂質」になりがちです。過酸化脂質は、血管の内壁にへばりつき、血管を厚く硬いものに。
これが積み重なっていくと、動脈硬化をひきおこすことになります。
ビタミンB2を摂取すると、過酸化脂質を分解するので、血管の内壁への付着がなくなります。そのため、動脈硬化を未然にふせいでくれるのです。
ビタミンB2が不足した状態がつづくと、だんだん血管の内壁が厚くなっていきます。そうなると、血管の通り道がせまくなっていき、「虚血性心疾患」や「脳卒中」の引き金になります。
目の網膜には、動脈や静脈が張りめぐらされています。
当然、網膜の毛細血管にも動脈硬化はおこります。これを「網膜血管硬化症」といいます。
ビタミンB2を摂取すると、網膜にある血管の動脈硬化が原因となる、「網膜動脈閉塞症」などの予防に有効と考えられます。
ビタミンB2の摂取のポイント
ビタミンB2は、腸内細菌によって体内でつくられます。
しかし、脂肪の摂取が多い人や、肌や粘膜に炎症がある人。また、角膜や結膜の症状を軽くしたい人は、多めにビタミンB2を摂取する必要があります。
ビタミンB2は、水溶性ビタミンのため、必要以上は体外に排泄されます。
そのため、こまめに摂ることがポイントです。
ビタミンB2は、動物性食品に多く含まれています。
手軽に摂れる、ビタミンB2をふくんだ食品に、「牛乳」があります。
牛乳には、ビタミンB2のほかに、ビタミンAも含まれています。
ビタミンAもB2も、角膜と結膜を健康に保ってくれる働きがあります。
そのほか、よく知られているように牛乳には、神経を鎮静化させて眠りに導く「カルシウム」をはじめ、さまざまな栄養素がふくまれています。
牛乳は、目を健康にたもつためには、欠かせない食品といえます。
ビタミンB1・B2と糖尿病
糖尿病の人は、まずビタミンB1を多くとって、糖質の代謝をうながすことが大事です。そのうえで、ビタミンB2も同時に摂ることがたいせつ。
ビタミンB2の摂取は、脂質だけではなく、糖質の代謝もうながします。
糖尿病になると、糖質だけではなく、脂質の代謝もわるくなります。
このため、血液中にコレステロールがたまりがちに。動脈硬化を引き起こしやすくなるのです。糖尿病の人にとっては、脂肪を分解してくれるビタミンB2は、必須の栄養素といえるでしょう。
糖尿病になると、合併症のひとつとして、「糖尿病網膜症」にかかる確率が高くなります。この眼病では、網膜の毛細血管がやぶれて出血します。
糖尿病網膜症が進行していくと、急ごしらえで、もろい新生血管がつくられます。それが、いずれは「網膜はく離」や「緑内障」までも引き起こすことに。
現在、糖尿病の人は、糖尿病網膜症を予防するためにも、医師の指導のもと、血糖コントロールをしっかりと行なうことがたいせつです。
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