メガネのデメリット
メガネのデメリットは、コンタクトレンズにくらべて、「視覚的に、見えかたの質が落ちる」ということです。
また、顔の前にメガネという矯正器具を置くため、それにともなう物理的なわずらわしさや、危険もあります。
- ものがゆがんだり、小さく見える
- 視野がせまくなる
- わずらわしい
- そのほかのデメリット
以下、順に解説していきます。
ものがゆがんだり、小さく見える
メガネをかけると、レンズのはしのほうで、ものがゆがんで見えます。
近視の度が強いほど、そのゆがみは大きくなります。またレンズの中央部であっても、近視の度が強いほど、ものが小さく見えます。
レンズの中央部分は、ゆがみなく見ることができます。
そのため、ものを正しい形で見ようとすると、見る対象にたいして、顔をまっすぐに向ける必要があります。車の運転のときなど、そのつど首を大きく動かしていると、首や肩が疲れやすくなります。

最近は、レンズの形に、工夫がされるようになってきました。
「両面非球面レンズ」にすれば、レンズの中央部と、はしの見え方の差が小さくなります。
非球面レンズとは、レンズ面が球体の一部ではないレンズ。
なだらかなカーブをえがくので、レンズのはしで像のゆがみが少ないのです。「両面非球面レンズ」とは、レンズの両面が非球面になっているものです。
左右の目に視力差がある不同視(がちゃ目)の場合、メガネの装用がむずかしくなります。左右のレンズをとおして見る像の大きさが、異なるからです。
そのため、脳がふたつの映像を融合できなくなる場合があります。
両眼視ができないと、ものが二重にみえる「複視」に。
この場合は、メガネの装用が困難なため、コンタクトレンズで矯正します。
視野がせまくなる
メガネの場合、コンタクトレンズよりも視野がせまくなります。
メガネのレンズ部分はよく見えます。しかし、レンズをはずれた視界は、ぼんやりと見えるだけです。これは、度が強いほど顕著に。
視界のせまさは、スポーツをするときに不利になります。
スポーツでは、つねにまわりの状況を、広く観察する必要があります。
そして、眼球をすばやく目標に移動させるスピードもたいせつです。
メガネを装用していると、視界がせまいために、まず発見がおくれます。
さらに、ものを正確にとらえるためには、顔ごと目標に向ける必要があります。これは前項で述べたように、メガネの中央でないと、よく見えないため。
しかしこれでは、行動のスタートが大幅におくれてしまいます。
視野のせまさにかぎらず、メガネには、スポーツにおけるパフォーマンスを低下させる要素が多いのです。これは車の運転にもあてはまります。
以上のことから、スポーツを本格的に行ないたいのなら、コンタクトレンズやレーシック手術を検討すべきでしょう。
ただし、ハードコンタクトレンズは、はげしい動きをすると目から落下します。ソフトコンタクトレンズ、とりわけ「使い捨てコンタクトレンズ」がおすすめです。
わずらわしい
メガネは、鼻と耳の部分でささえるため、わずらわしいものです。
近視の度が強くなると、メガネのはしが分厚くなります。
そのぶん当然、重くなります。レンズが重くなると、フレームが当たっている鼻や耳に負担がかかり、痛くなることがあります。
ただし前述したように、最近は、高性能な「両面非球面レンズ」が登場してきました。このレンズは、はしの見え方のゆがみが軽減されるとともに、レンズもうすくなります。そのぶん軽くなります。
メガネをかけてスポーツをしていると、分厚いレンズではなくても、ずり落ちてきたりするものです。そのつど、メガネを直さなければならない、わずらわしさがあります。
汗をかくと、フレームと接している鼻や耳の部分が、不快になってきます。
また、レンズがくもって見えなくなることもあります。
コンタクトレンズには、メガネのもつ、わずらわしさがありません。
そのほかのメガネのデメリット
- 容姿に影響する。
強度の近視の場合、メガネをかけると目が小さく見えます。
実際の顔と、レンズを通して見える顔との「輪郭の段差」も目立ちます。
しかし、最新の「両面非球面レンズ」にすれば、かなり解消できます。 - ものがメガネに当たると危険。
テンプルが縄手(ぐるっと耳にまきついたタイプ)の場合は、とくに危険。
ものがメガネに当たったとき、メガネが飛ばないため、衝撃が吸収されないからです。レンズが目に当たると、目を傷める危険があります。「蝶形骨(ちょうけいこつ)」を傷めると、視神経に影響がでることも。
縄手タイプのメガネをかけている子供は、要注意。 - 強度の近視を矯正できない。
メガネで矯正できる近視には、限度があります。
メガネのレンズは、目から12ミリはなれています。そのため、レンズの度が強いほど、ものが小さく見えることに。周囲のゆがみも大きくなります。
強度の近視を矯正するには、コンタクトレンズのほうが適しています。 - 角膜の異常を矯正できない。
角膜に不規則な凹凸がある「不正乱視」は、メガネでは矯正できません。ただし、ハードコンタクトレンズによって矯正することができます。
そのほか、メガネで矯正できないものに、角膜がとがってくる「円錐角膜」があります。これもハードレンズによって、矯正が可能な場合があります。

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