オルソケラトロジーのメリット
オルソケラトロジー(オルソK)のメリットは、レーシック手術やコンタクトレンズと比較すると、よくわかります。
- 日中を裸眼ですごせる
- 不具合があっても、元にもどせる
- はげしいスポーツに向いている
- 近視の進行をおさえる効果がある
- 角膜内皮細胞が守られる
以下、順に解説していきます。
日中を裸眼ですごせる
オルソケラトロジーによる矯正では、メガネやコンタクトレンズとは異なり、日中は裸眼ですごすことができます。
コンタクトレンズは裸眼に近いとはいえ、角膜をレンズでおおっています。
オルソケラトロジーの治療では、角膜を平らに変形させます。
こうすると、角膜の屈折力が弱まることに。角膜自体が、メガネやコンタクトレンズのような役割を果たすわけです。

オルソケラトロジーで視力を回復させれば、メガネやコンタクトレンズのわずらわしさから開放されます。
「裸眼で見ている」という喜びを、感じることができるのです。
不具合があっても、元にもどせる
オルソケラトロジーの治療では、もし不具合が発生しても、レンズの装用を中止すれば、もとの角膜の状態にもどすことができます。
いっぽう、角膜矯正手術であるレーシックでは、こうはいきません。
レーシック手術では、エキシマレーザーを照射して角膜をけずります。
当然、いったん角膜をけずってしまうと、元にはもどせません。

さらにレーシックでは、角膜につくったフラップ(=フタ)を閉じたあと、ずれることがあります。そのほか炎症や、夜間視力の低下、乱視の併発といった、さまざまなレーシックの後遺症がおきる可能性が。
ただし厳密にいえば、現在はフラップの作成を、レーザーで行なうことが多くなりました。そのため、こういった合併症は、ほとんどなくなってきています。
レーシックに興味があるけれど、どうも気がすすまないという人は、オルソケラトロジーがいいかもしれません。
はげしいスポーツに向いている
オルソケラトロジーは、はげしいスポーツや格闘技に向いています。
たとえば、顔に直接打撃するボクシングの場合、ソフトコンタクトレンズを装用していると、ずれて危険な場合があります。
しかしオルソKなら、その心配がありません。練習や試合に集中できます。
角膜矯正手術のなかには、フラップ(ふた)をつくらない「PRK」という手術があります。そのほか、「ラセック」や「エピレーシック」という手術では、上のイラストでいうと、角膜上皮層のみの薄いフラップを作成できます。
そのため、これらの手術はレーシックとは違って、手術後の角膜の強度が高くなります。格闘技をする人に向いているわけです。
しかしオルソケラトロジーでは、そもそも角膜をけずりません。
角膜矯正手術よりも、さらに角膜の強度を高く保つことができるのです。
オルソケラトロジーは、もっとも格闘技に向いている視力回復法といえます。
近視の進行をおさえる効果がある
オルソケラトロジーの治療には、ごく初期の近視の進行を、ストップさせる効果が確認されています。
仮性近視の段階にある子供に、オルソKレンズで角膜に圧迫を加えたところ、近視が治ったという事例があるのです。
治ってからは、毎晩の装用をしなくても、見えるようになったわけです。

近視の進行は、通常の説では、まず毛様体筋が緊張し、次に角膜の凸が強くなっていくといわれています。
オルソケラトロジーの治療によって、こういった近視の進行過程における「角膜の凸化」がおさえられるのではないか、と考えられます。
角膜内皮細胞が守られる
オルソケラトロジーによる矯正は、通常のコンタクトレンズよりも、角膜内皮細胞が守られます。角膜内皮細胞は、角膜にとって非常にたいせつなもの。
コンタクトレンズで長時間、角膜の表面をおおっていると、角膜は酸素不足をおこしやすくなります。大気中の酸素は、いったん涙にとけこみ、そのあと角膜に酸素を送りとどけています。
コンタクトレンズは、この経路をさえぎってしまうのです。
五層構造の角膜が酸素不足をおこすと、一番内側にある「角膜内皮細胞」まで、酸素が行きわたらなくなります。そうなると、内皮細胞が死滅することに。角膜内皮細胞は、いったん死滅すると、二度と再生されない貴重な細胞。

オルソケラトロジーで使用するハードコンタクトレンズは、通常のコンタクトレンズよりも、酸素透過性の高い素材でできています。
オルソKレンズは、「アメリカ食品医薬品局 (FDA)」 で安全性が認可されているため、安心して装用できます。
また、オルソケラトロジーの発祥地・アメリカでは、100万人以上もの人たちが治療を受けています。安全性は実証ずみ。
オルソケラトロジーの治療では、睡眠中にコンタクトレンズを装用します。
コンタクトレンズで角膜をおおっているといっても、せいぜい睡眠時間ぶんの7〜8時間。通常のコンタクトレンズのように、長時間の装用が原因となって、角膜が酸素不足になることはないといえます。
そのうえ、オルソケラトロジーでは、日中は裸眼で過ごします。
そのため角膜の表面から、酸素をたっぷり取りこむことができるのです。
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