眼のツボ指圧の方法
眼のツボ指圧の方法は、慣れれば簡単です。
もちろん専門的になると、灸をすえたり、鍼(はり)という治療法もあります。
しかし「指圧」でも、同様の効果が期待できます。
眼のツボ指圧は、いつでもどこでも、すぐ実行できるというメリットがあります。
これは鍼(はり)や灸には、まねのできないことです。
- < 目次 >
- ツボ指圧に使う「指」と「押し方」
- 眼のツボを刺激する、そのほかの方法
- 眼のツボと「神経」について
- 「刺激しづらいツボ」を押す方法
- 眼のツボ指圧の「時間」は?
- 眼のツボを”強く押す”と逆効果
- 眼のツボ指圧は「気持ちよく」が合言葉
ツボ指圧に使う「指」と「押し方」
眼のツボ指圧に使う”指”は、さまざまです。
”親指”は力が強いだけあって、軽く押しただけで力を伝えられるというメリットがあります。ただ、小さいツボの場合、太い親指よりも、細い”人差し指”のほうが力をつたえやすいこともあります。
人差し指の代わりに、”中指”を使うこともあります。
ただし、比較的、力が弱く扱いづらい”薬指”と”小指”は使用しません。
これ以外の3本の指を駆使して、目のツボ指圧を行なっていくわけです。
ただ、3本の指のうち、「この指でなければならない」という決まりはありません。ようは、ツボをしっかりと刺激できていればよいからです。あなたの一番、使いやすい指で、眼のツボ指圧を行ないましょう。
次に「力の伝え方」ですが、つぼ指圧の方法には、何種類かあります。
- ”ジワーッ”と力をかけつづける
- ”グリグリ”とまわすようにする(捻転・ねんてん)
- ”グッグッ”と断続的な刺激をあたえる
この3つの押し方が、指圧の基本になります。ぜひ、あなたの押しやすい方法を見つけてください。
眼のツボを刺激する、そのほかの方法
眼のツボを刺激できる方法は、”指圧”だけではありません。
そのほかに4つの方法が考えられます。
- ツボの周辺を軽くたたく
- ツボの周囲をさする
- ツボの周囲をあたためる
- ツボの周囲をひっぱる
このように、べつに”指”をつかわなくても、目のツボに刺激をつたえることは可能なのです。
ひとつめの方法から、順を追って見ていきます。
ツボの周辺を、手のひらで「ポンポンと軽くたたく」だけでも、ツボの刺激になります。このとき、手のひらの下のほうの「手首に近い部分」を使用します。
たとえば、こめかみにある「太陽のツボ」の位置がわかりづらい場合などは、こめかみのあたりを、手のひらの下の部分で、軽く”ポンポン”とたたけばよいのです。これならツボの位置がよくわからなくても、あるいは、指にあまり力が入らない場合でも、ツボに刺激をつたえることができます。
ふたつめの「さする方法」は、「眉毛のツボ」に対して使えます。
この「さする」という意味は、指の腹でさするのではありません。両手の人差し指を完全に折りまげたときの、「第二関節の内側部分」をつかいます。
その手の形をつくったら、まゆ毛の付近を、内側から外側へとこするのです。このとき、人差し指の内側を、まゆ毛に押し付けるようにして、力をかけて、
こすります。この方法なら、指で目を突いてしまうという危険もありません。
3つめの、つぼの周囲を「あたためる」方法は、「蒸しタオル」をつかったりします。まさに灸(きゅう)は、この方法。熱も刺激になるわけです。
手のひらを強くこすって摩擦で熱くし、眼をおおう「パーミング」という方法を応用してもいいかもしれません。
さて、最後の、ツボ周囲の皮膚を「ひっぱる」方法も効果的です。
この方法は、「まゆ毛のツボ」にたいして使います。まゆ毛には両端と真ん中に3か所、ツボがあります。ここを押すかわりに、その真上の肉をつかむようにして引っぱってもよいのです。とても気持ちのよい刺激を感じるはずです。
以上、”指”で押す以外の、目のツボを刺激する方法について解説してきました。あなたのもっともやりやすい方法で行ないましょう。
* もし道具をつかうとすれば、携帯用の電気治療器という方法もあります。
眼のツボと「神経」について
神経は、骨に守られるようにしながら、骨の下を走っています。
そして、眼に関するツボは、たいてい”骨のくぼみ”にあります。
その骨の”くぼみ”や”継ぎ目”は、とくに神経が過敏な箇所になっています。
なぜなら骨が、奥というより、横に少しくぼんでいるために、骨の下を走っている神経が、少し顔をのぞかせているからです。

たとえば、「まゆ毛」の上にある眼のツボをみていきましょう。まゆ毛には、両端とまん中の3か所にツボがあります。
攅竹(さんちく)、魚腰(ぎょよう)、糸竹空(しちくくう)という
ツボです。
この3か所は、比較的くぼみが大きくなっています。そのため骨の下を走っている神経に、刺激が伝わりやいツボといえます。ですから、まゆ毛のツボにたいしては、傷めないためにも、力を入れすぎないことがポイントになります。
もしかしたら、少し押しただけでも、かなりの痛みを感じるかもしれません。
こうした眼のツボは、少し力をかけるだけで、ジーンとした「痛気持ちいい」刺激を感じます。神経が表面に近いため、あまり力をこめなくてもいいのです。
「刺激しづらいツボ」を押す方法
骨がくぼんではいても、「厚い肉」にはばまれて、神経が奥のほうに隠れてしまっているツボもあります。こういった部分は、骨の下に指をもぐりこませるようにして、やや強い力で指圧する必要があります。このようにしないと、
ツボに刺激がつたわっていかないからです。
ただし、このようなツボは「目の周辺」には、ほとんどありません。
ですから目の周辺のツボは、力を込める必要はありません。むしろ、目の周辺のツボ押しに力をいれすぎると「目を突いてしまう危険」がともなうので、強く押さないようにします。
ただ、こめかみにある「太陽のツボ」の場合、刺激がつたわりにくいことがあるかもしれません。そうかといって、力をかけすぎてはいけません。力をかける方向に目があって危険だからです。
どうしても「太陽のツボ」に刺激がつたわない場合は、先ほども解説したように、「ツボの周辺を軽くたたく」ようにすればよいのです。

さて、眼にかんするツボのなかで、肉にはばまれて、力が伝わりにくと思われるツボが2つあります。
それは手の甲にある「合谷(ごうこく)」と、後頭部にある「風池(ふうち)」。
この2つのツボを指圧するときのみ、ある程度の力を込めるようにします。
神経まで刺激がとどくように、骨の下に指をもぐりこませるようにして、グイッと力をいれるわけです。
もちろん個人差がありますから、この2つのツボを、ちょっと押しただけでも痛みを感じる場合は、強く押してはいけません。その場合は、ちょっと押して痛みを感じるところで止め、それ以上、強く押さないようにします。
なお、後頭部にある「風池」のつぼは、血圧が高い場合、あまり強く押してはいけません。
眼のツボ指圧の「時間」は?
眼のツボ指圧の1回の時間は、長すぎないほうがよいでしょう。
ジーンと感じた時点で、すでに脳には刺激がつたわっているからです。
3秒から5秒程度かけて、徐々に力を加えていき、ゆっくりとはなしましょう。
断続的に押す場合は、3回から5回ほど、ゆっくりと力をかけるようにします。
これを何セットか行ないます。3〜5セット行なえば充分でしょう。
ただし、たとえ1セット(3秒、あるいは3回)だけでも効果があります。
その反対に、「疲れ目がひどいな」というときは、5セット以上行なっても大丈夫です。とくに決まった方法はありません。
おすすめは、3秒(あるいは3回)指圧して、1秒休み、また3秒押す方法。
この「3、1、3、1というリズム」で、脳に刺激をおくっていきます。
この方法のほうが、たとえば10秒間ずっと押しつづけるよりも、脳に新鮮な刺激がとどきます。視力回復効果が、さらにアップするのです。
血流の面からいっても、1回の指圧で長時間、ツボを圧迫しないことが大事です。ツボを押しつづけているあいだ、その周辺には、血液がほとんど流れなくなるからです。こういった状態にしないためにも、前述したような、短時間の指圧をリズミカルに行なう方法がオススメです。
眼のツボを”強く押す”と逆効果
”痛くなるほど”ツボを強く押しすぎると、かえって逆効果になります。
眼のツボを指圧しているのに、逆に目の血行が悪くなる可能性があります。
ただし、先ほども述べたように、合谷のツボは、刺激がとどきにくいことがあるので、この場合だけは例外です。それ以外の目のツボは、”強く押さない”。これが鉄則です。目の血行不良をおこすだけではなく、手がすべって目を突いてしまう危険もあるからです。
眼のツボを強く押しすぎると逆効果になる理由は、強く押しすぎると、見えないところで「内出血」をおこしたり、強い刺激が「強烈な肉体的ストレス」になるからです。
「内出血」をおこせば、とうぜん、その部分の血流がさまたげられます。
また、強いストレスを感じると、交感神経が活性化します。「交感神経」とは自律神経の一種で、興奮の神経。心拍数や血圧を上げる役割があります。

交感神経が活発になると、涙の出が悪くなって、
目の表面がかわいてしまう危険性もあります。
また目のツボに不要な緊張をあたえると、その影響が、遠近調節をしている毛様体筋にまでおよび、
この筋肉までも緊張してしまう危険性があります。
この「毛様体筋」の弛緩(=ゆるむこと)作用によって、レンズの役割をしている水晶体がうすくなり、遠くを見たときにピントが合うしくみになっています。
もしもストレスによって、この毛様体筋が緊張をおこすと、水晶体をうすくできなくなり、遠くが見づらくなる危険性があるわけです。
以上のような事態をまねかないためにも、痛くなるほどツボを強く押さないようにしましょう。
眼のツボ指圧は「気持ちよく」が合言葉
前述したように、目の周囲のツボにかんしては、「痛いほど強く押す」ことは逆効果です。では、どうすればいいのか?というと、「ちょっと痛いけれど、気持ちがいい」。これが判断のラインになります。あなたが「気持ちがいい」と感じるかどうか、です。
また、その日の体調によって、ツボを押したときの感じ方が異なることがあります。そのため眼のツボ指圧のときには、つねに、「その日の自分の体調」と相談するようにしながら、徐々に力を加えて、確かめるようにします。
ジーンと気持ちいい刺激を感じたら、それ以上、力をこめないようにします。眼のツボを断続的に押す場合は、この”気持ちのいいライン”を覚えておきます。そして3回から5回ほど、同じ程度の指圧をくりかえします。
おすすめは、前述したように「3、1、3、1のリズム」。
なお、ツボを指圧しているときは、目を閉じるほうがよいでしょう。
このほうが目の表面が涙でうるおいますし、目のあらゆる組織が休まり、
一石二鳥どころか、一石何鳥にもなります。
目を閉じると光をある程度、遮断できるので、「虹彩」や「毛様体筋」といった目の筋肉も、映像をうつすスクリーンの役割をもつ網膜の「視細胞」も休まります。そうなれば、とうぜん、「脳」も休まるわけです。パソコン作業をしている場合は、「目を閉じながらのツボ指圧」がとくにオススメです。
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