マジカルアイの視力回復効果
「マジカルアイ」とは?
「マジカルアイ」は、今はやりの視力回復トレーニング法です。
目を開いたり(平行法)、寄り目にしたり(交差法)して、美しいイラストを見るというもの。
するとイラストに奥行きがでてきて、立体的な3Dのイラストに見えるわけです。幻想的な世界が出現したときは、まさに心が洗われる瞬間です。

マジカルアイでは、目の遠近調節のさいに自然に行なわれる「開散」「輻輳(ふくそう)」を、意識的に行ないます。
これによって、毛様体筋を連動させようと”試みる”わけです。
「開散」とは目を開く動き、「輻輳」(ふくそう)とは目を寄せる動きです。
「マジカルアイ」と”視力回復の原理”
つまり、マジカルアイの視力回復トレーニングの原理、考えかたは、
- 「平行法」 → 目を開く → 毛様体筋がゆるむ → 水晶体が薄くなる
- 「交差法」 → 寄り目に → 毛様体筋が緊張する → 水晶体が厚くなる
ということです。「水晶体」とは、遠近の微調節を行なうレンズです。

”屈折性近視”は、水晶体が厚く、そのため目の屈折力が強い状態にあります。そこで、マジカルアイのイラストをつかって、目を開く「平行法」を行なうと、毛様体筋がゆるんで、水晶体をうすく調節できるようになる。
その結果、近視の視力回復効果が期待できるのかもしれません。
反対に”屈折性の遠視”は、水晶体がうすく、そのため目の屈折力が弱い状態です。そこで、マジカルアイのイラストをつかって、目を寄せる「交差法」を行なうと、毛様体筋に”筋力”がついて、水晶体を厚く調節できるようになる。その結果、遠視が多少なりとも改善できるのかもしれません。
また、”老眼”は、水晶体が硬くなったため、思ったように厚くできない状態。
そこで遠視と同様に、マジカルアイのイラストをつかって「交差法」を訓練して、毛様体筋にパワーがつけば、水晶体を厚く調節できるようになる。
その結果、老眼が改善する可能性があるのかもしれません。
以上、断定的なことは言えませんが、マジカルアイに視力回復効果が”あるとすれば”、以上のような原理になるのではないか、と思われます。
「マジカルアイ」で視力回復できる?
ただ、たいていの”近視”は、眼球が長く伸びた「軸性近視」です。
そのため、「平行法」によって毛様体筋をゆるめることができたとしても、効果があるのは、せいぜい「仮性近視」くらいでしょう。あるいは、ほんとうに初期の近視くらいだと思われます。
また、ほとんどの”遠視”は、眼球自体が短い「軸性遠視」です。
この場合も、眼球が変形しているので、毛様体筋を緊張させる訓練を、いくら行なったからといって、遠視が改善される可能性は低いと思われます。
”老眼”の場合、「水晶体というレンズ自体」が、加齢によって硬化していることが直接の原因です。毛様体筋を強くするトレーニングをいくら積んだとしても、水晶体の弾力性が失われているのですから、意味がない気もします。
毛様体筋がいくらパワフルに盛り上がったとしても、たんにチン小帯がゆるむだけで、あとは「水晶体の弾力性いかん」にかかっているからです。
かりに「老眼」に好影響をおよぼす効果があったとした場合、”ひとつの可能性”として考えられるのは、毛様体筋を運動させることによって、この筋肉の働きが活性化。すると、この毛様体筋から産生される「房水」という液体の循環がよくなり、水晶体の新陳代謝が活発になる。
その結果、水晶体自体の弾力性が”多少は”回復する。そして近くを見たときに、水晶体を、以前よりは厚く調節できるようになる。・・・もしマジカルアイによって、「老眼」が改善する可能性があるとすれば、「毛様体筋がパワーアップしたから」ではなく、このような仕組みになるのではないでしょうか。
先ほども述べたように、いくら毛様体筋をパワーアップしても、「チン小帯」がダラ〜ンとゆるむだけで、水晶体の弾力性にはまったく影響をおよぼさないからです。
いずれにしても「マジカルアイ」に”過度の期待”をかけるのではなく、あくまでも「きれいな絵だな〜」という感じで、”ストレス解消”として、気楽に眺めて楽しむ、というスタンスがいいのではないでしょうか。
ただ、目は脳の延長であり、両者は一体ですから、もしかしたら脳のストレスを取り除くことが、眼筋の緊張をとくことにつながり、結果として視力が回復することはあるかもしれません。
* 当サイトでは、同じ筋肉の訓練として、「毛様体筋のトレーニング」をご紹介しているので、参考にしてみてください。また、変形した眼球にたいしては、
「外眼筋の緊張をとくトレーニング」というアプローチもご紹介しています。
「視力回復トレーニング」のページでは、視力訓練の全体像を見れます。
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