活性酸素とは
活性酸素とは何か
活性酸素(フリーラジカル)とは、呼吸によって体内に取り入れられた酸素が、活性化して、攻撃的な状態に変化したものです。
活性酸素というと、マイナスのイメージがあるかもしれません。
しかし、本来、活性酸素とは、外部から体内に侵入してきた外敵を攻撃するためのもの。生きていくうえで、必要不可欠なものなのです。
なんらかの原因によって、活性酸素が多く発生してしまうことがあります。
そうなると、活性酸素は暴走をはじめます。味方であるはずの体内の細胞に、矛先を向けるようになります。つまり、細胞を酸化させていくのです。
活性酸素は、脂質(脂肪)とむすびつくと、「過酸化脂質」となります。
この過酸化脂質は、活性酸素と同様に、細胞を傷つける元凶となります。
活性酸素は、ガンや心臓病、脳卒中、動脈硬化、糖尿病など、あらゆる病気の原因だといわれています。
通常は、体内の「抗酸化酵素(スカベンジャー)」が、活性酸素を取り除いて中和してくれます。また、食事からとりいれた「抗酸化物質」も協力します。
しかし、体内の抗酸化成分が不足すると、活性酸素の暴走を止められなくなります。さまざまな病気を引きおこし、老化を促進していくのです。
活性酸素の種類
活性酸素は、1種類ではありません。大きく分けて、4種類あります。
まず、もっとも攻撃力の弱い活性酸素が、「スーパーオキシドラジカル」。
つぎに、強いものが、「過酸化水素」。三つ目が「ヒドロキシラジカル」。
そして、最強の活性酸素が「一重項酸素」です。
このうち、「スーパーオキシドラジカル」と「過酸化水素」は、体内に備わっている「抗酸化酵素(こうそ)」だけで、退治できます。
抗酸化酵素には、「SOD(スーパー・オキシド・ディスムターゼ)」や「カラターゼ」などがあります。
ところが、抗酸化酵素だけでは、それ以上強い「ヒドロキシラジカル」や「一重項酸素」といった活性酸素に対しては、力不足です。
そこで、食べ物からとりいれる「抗酸化物質」の登場です。
最後のふたつの強力な活性酸素は、抗酸化物質でなければ、太刀打ちできないのです。
抗酸化物質とは
抗酸化物質とは、活性酸素を消去・除去する力をもった物質のことです。
抗酸化物質は、食事によって大量にとりいれることができます。
「果物」や「緑黄色野菜」といった”植物の恵み”に多くふくまれています。
そのため、果物や野菜をふだんから多くとっている人は、あらゆる病気の原因となる”活性酸素”をおさえ、長生きできるといわれています。
抗酸化物質には、ビタミンCやビタミンA(ベータカロチン)、ビタミンEといった「ビタミン類」。そして、「ミネラル」。
アントシアニンなどの「ポリフェノール」や、ルテインなどの「カロテノイド」。
ポリフェノールやカロテノイドは、「ファイトケミカル」といいます。ファイトケミカルとは、植物がもっている栄養成分のことです。
そのほか、脳の松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモンである「メラトニン」。メラトニンは、睡眠をさそい、維持する成分です。それとともに、強力な抗酸化物質でもあるのです。
よく知られるようになった「アルファリポ酸」や「コエンザイムQ10」も、抗酸化物質の仲間です。
そのほか、抗酸化物質には、緑茶のカテキン、サケのアスタキサンチン、トマトのリコピン、ゴマのリグナン、グルタチオンなど、数多く存在しています。
このような抗酸化物質を食事からとりいれることによって、より強い活性酸素を退治できるのです。
活性酸素の原因
活性酸素の原因は、さまざまです。
大きくふたつの原因に分けることができます。呼吸によって自然に発生する場合と、外部から影響を受ける場合です。
ふつうに穏やかに呼吸していても、そのうちの2%程度は、活性酸素に変化するといわれています。
全身にある60兆個の細胞は、血液によって運ばれてきた「酸素」と「栄養素」によって、活性化し、エネルギーを生み出します。
この代謝過程において、酸素によって栄養素を”酸化”して、燃やし、エネルギーである「アデノシン三リン酸(ATP)」を生み出します。
空気中の酸素は、安定しています。
しかし、こういった代謝過程での酸素は、不安定になりがちです。
とはいっても、穏やかな呼吸によって生じる2%程度の活性酸素は、「抗酸化酵素」によって処理できるレベルのものです。
通常、問題となる活性酸素は、もういっぽうの外部要因によるものです。
たとえば、紫外線、放射線、電磁波、強いストレス、喫煙、有害化学物質、病原菌、無酸素運動などです。
活性酸素と目
活性酸素と眼病
活性酸素は眼病の原因になると推測されます。
まだ因果関係が解明されたわけではなく、あくまでも仮説の段階です。
しかし、活性酸素の攻撃力を考えれば、目の組織の変性にかかわっていると、充分、考えられます。目も体の一部だからです。
さらに、目は、ほかの体の組織よりも、光によって酸化しやすい器官。
日中、目をあけているかぎりは、つねに太陽からの「紫外線」や「可視光線」が入ってきます。
そのほか、室内では、パソコンやテレビなどから、有害な「青色光」が入ってくることが多くなっています。
活性酸素と紫外線
長年、紫外線を浴びつづけていると、透明なレンズである水晶体が酸化変性をおこします。これが一因となって、水晶体が白くにごると「白内障」になり、水晶体が硬くなると「老眼」になると考えられます。
水晶体は、紫外線を吸収するフィルター。
紫外線による酸化から、網膜を守ってくれています。しかし、多少は網膜にも紫外線は届きます。
網膜、とくに焦点をむすぶ中心にある「黄斑部(おうはんぶ)」に紫外線をあびつづけると、組織が活性酸素によって、酸化変性されます。
網膜の脂質が酸化変性すると、「過酸化脂質」となります。
この過酸化脂質は、活性酸素と一緒になって、網膜の細胞を変性させていきます。その結果、視野の中心がゆがむ「黄斑変性症」や、光を感じる視細胞がおかされる「網膜色素変性」などの「網膜の病気」をひきおこします。
目の病気は、紫外線だけではなく、別の要因からも起こります。
前述したように、「強いストレス」や「喫煙」、ダイオキシンや農薬などの「有害化学物質」、「はげしい運動」などです。
こういった要因は、目の内部に大量に活性酸素を発生させます。
すると、視野が欠ける「緑内障」などの眼病を引き起こすことにもなります。
目と抗酸化物質
水晶体や、網膜の黄斑部(おうはんぶ)には、細胞の酸化変性にそなえて、「抗酸化物質」がたくわえられるような仕組みになっています。
ルテインやビタミンCが、とくに多くたくわえられています。
こういった”光の通り道”は、紫外線によって活性酸素が発生しやすい場所だからです。
ふだんの食事から、「果物」や「緑黄色野菜」をしっかりとっている人は、こういった部分に、抗酸化物質がたくわえられます。そして、たくわえられた抗酸化物質が活性酸素とたたかい、無害化してくれます。
少なくなった抗酸化物質は、食事によって、ふただび補われます。
結局、生きている限りは、外界からのさまざまなストレスは、さけられません。
活性酸素の害をふせいで、目の病気を予防する秘訣は、食事やサプリメントなどから、「抗酸化物質」を十分にとることにある、といえそうです。
